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サバイバルを前に清々しい顔を見せた薗田峻輔 世界で戦うための“大きな壁”を乗り越えろ【記者の目】

薗田峻輔が2010年から継続していたシードを喪失した。足かけ8年。守り続けていたものをついに手放すこととなったのである。
国内男子シード争いの模様を振り返る「カシオワールドオープン」LIVEPHOTO
ジュニア時代から将来を渇望されていた薗田は、2009年にプロ転向。翌年の2010年「ミズノオープンよみうりクラシック」でプロデビュー5試合目にして早々に初勝利を挙げた。その後も13年に「セガサミーカップ」を制するなどツアーの第一線で活躍してきた。
だが、17年の後半戦あたりから様子が変わっていく。シード争いの末に賞金ランキングは67位。さらに18年は開幕から苦しい、いやそんな言葉では軽々しく表現できないほどのシーズンとなる。1月の「SMBCシンガポールオープン」から16試合連続で予選落ち。途中のマッチプレー「ISPSハンダマッチプレー選手権」も一回戦負けといいところなし。ようやく10月の「ブリヂストンオープン」で決勝へと進むも、29位タイと上位からはほど遠かった。
思うように賞金を加算できなかった結果、「カシオワールドオープン」開幕前の賞金ランクは120位。逆転のためには少なくとも単独3位が必要な状況だ。それでも周りの結果によっては届かない。だが、非常に厳しい戦いとなるにもかかわらず、練習日に清々しい顔をしていたから話を聞く前は不思議だった。
「調子はいいですよ、ずっと。ここ数試合、いや数試合どころじゃないな。僕の中では9月あたりからボール打つことに対して感触がいい。ずっとそれが維持できている。結果にはつながっていないけど、ゴルフ自体の調子はすごく良くて楽しいですよ」。開口一番、薗田からは表情通りの答えが返ってきた。
では、その9月までは何がいけなかったのか。
「序盤はなかなか思うように脳と体とスイングが連動してくれなくて、すごく難しかった。そこから比べると今は“はるかに”感覚と気持ちが違うので。意外とすがすがしいんです」。連動の部分を数学で例えて説明してくれた。
途中式が合っていなかった、と薗田はいう。答えは合っていたけど、そこにたどり着くすべが間違っていた。むしろ計算式を知らなかった、と言い換えてもいいかもしれない。だから不調に陥ったときにどうしても長引く。それがツアー優勝をしていたころからそうだというから驚きである。
そんなとき自分がそうだとはつゆ知らず、「ゴルフ人生最大」という壁にぶち当たってしまう。「感覚はあくまで感覚でしかなくて、本当の結果と結びついていなかったのはすごく衝撃でした」。今でこそ「だから遅かれ早かれこういうことを味あわなきゃいけなかったんでしょうね」と話せるが、受け入れるのには相当勇気が必要だっただろう。
自分の状態を理解してからは、まずは自分を知ることから始める。「石井忍コーチもいるけど、何よりも自分が自分のスイングを分かっていないといけない。それに、もっとクラブのことも分からないとダメだった」。先入観を取り払って、改めて、いちからいろいろな知識をつけるところからスタートした。
そのなかで、弾道測定器が示すデータと自分の感覚を見比べると驚きの結果が。「自分が“こう打ったら(打球は)こうなるだろうな”って思っていたデータと結果のデータが全然違うんですよ。アウトサイドから入れたつもりなのに、数字がそれに見合ってこない」。ギャップを埋める作業から進めた。「元々あまりデータを見るのは好きじゃなかった。でも感覚は感覚でしかない。自分が思っている感覚は、実際には全然違うことなんだなと。そこに到達するまでに結構時間がかかった」。
コーチとの関係性ももう一度見つめ直した。これまで以上に心を開いて、言いにくいこともちゃんと伝えるようにした。「マイナスな言葉を発するのは嫌ですし、それを人に打ち明けるのはもっと嫌なことですが、共有しないとどういう心境でミスが出てしまったのか。それを分析することができないですから」。
もうひとつ大事なことがある。それは“無意識”の意識化と共有。「ずっとやってきたゴルファーは、アドバイスを聞いたときに、無意識的にアドバイスの中で自分の中で取り入れるもの、取り入れないものを判別してやっていると思うんです。それを認識して、どうしているのかを伝えないとコーチも混乱してしまいますからちゃんと言うようにしました」。アドバイスを受けてどう感じたのか。どのくらい言われたことを意識したのか。細かい部分まで徹底的に話し合った。
そうしたことで、少しずつ絡まっていたヒモがほどけていく。
「身につけた知識と、自分の感覚とスイング、という2つの点が徐々に線になっていく。そうなると練習場でいいショットが打てるようになる。それができると次はコースで打てるようになり、突き詰めていくとコースで打てる回数が増えてくる。そこまできて、試合でも少しずつ打てるようになってきた。本当にちょっとずつ段階ですけど、ようやくここまできた。自分の中では出口が見えてきています」。
もうさまよっている状態ではない。キッパリと言い切れる。もやもやが吹っ切れて視界が良好になったからこそ、決戦を前にしてもさっぱりとした表情でいたのだ。
「いまのゴルフを持って行けば、QTでもいいゴルフができると思う。怖いものはない」。「カシオ-」ではトータル5オーバーで予選落ちとなったが、「QTに対する気持ちは不思議なくらい特別な感情は何もないですね。前向きだからこそ、何も思わなかったです」とサバサバした口調だった。
QTから来季の出場権を目指すことになるが、そのはるか先には海外への思いがある。「自分のゴルフの夢としてあるところだけど、今は自分の現状があるからこそ、その言葉を出すのはすごく消極的になってしまう」と今はまだ公にすることははばかられる。
だが、胸には常に秘めていることには変わりない。「でも、ゴルフ人生の中で一番だと思っているこの壁さえ乗り越えれば結果を出せるようになれば、今までの僕が経験したそんじょそこらの小さい問題はすべて吹き飛ぶと思う。そうなれば、そういう言葉も胸張って言えるようになると思う」。
かつて天才と呼ばれた29歳はシード落ちにも悲観した表情はない。爽やかな風を吹かせて、サバイバルを戦う。(文・秋田義和)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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