09年のメジャー「日本プロゴルフ選手権」でツアー初優勝を挙げてから、毎年勝利を重ねてきた池田勇太。今季は「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」でツアー20勝目を達成した。ドライバーのうまさを表す指標(トータルドライビング)では今季ツアートップ。ドライビングディスタンスは、2015年の279.17ヤードから右肩上がりで、今季はツアー5位の296.07ヤードを記録した。ドライバー巧者のスイングを、原江里菜、福田真未らを指導する森守洋コーチが解説する。
★下半身の可動域はツアー屈指 捻転差と回転力を生み出す
飛距離が伸び続ける池田だが、その特長として挙げたのが下半身の稼働域の広さ。「僕がいつもすごいと思うのはそこです。だいたいPGAツアーの選手は、池田選手の切り返し直後の骨盤の位置がトップポジションになります。なので、池田選手はその前に、動きとしてはひとひねり入れているんです」。他の日本人選手と比べても、池田の場合はトップで下半身が大きく右を向いている。「バックスイングで右を向いていた骨盤が、インパクトでは左を向いている。トップからインパクトまでで150°、フォローまでだと180°くらい入れ替わっていますね」と、下半身の稼働域の広さを生かして捻転差と回転力を生み出している。
★インパクト後の手首の使い方がDJを彷彿
加えて「飛ばそうという動きが見える」というのが、インパクト後のフェースの動き。「もともと手首の動きがうまい選手で、クラブの運動量が多い。インパクト後にクラブがUターンしているのも特徴です」。他の選手に比べて、インパクト後に手首を体側に倒す動きが見られる。「ダスティン・ジョンソン選手などもそうです。クラブの運動量が多い、クラブ使いのテクニシャンです」。
解説・森守洋(もり・もりひろ)/1977年2月27日うまれ、静岡県下田市出身。高校時代にゴルフを始め、1995年に渡米しサンディエゴにて4年間ゴルフを学ぶ。2002年よりレッスン活動を開始し、現在は「東京ゴルフスタジオ」を主宰し、多くのアマチュアをレッスンする一方で、原江里菜らツアープロのコーチもしている。
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