今季優勝した選手のスイングから強さの要因、そしてアマチュアが参考にすべき部分を探る“Playback LPGATour2018”。第18回は、今年2季ぶりのツアー通算3勝目を挙げた大江香織のスイングを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が解説する。
大江香織の“浮かないスイング”を連続写真で見る
身長153cm。プロゴルファーとして、恵まれた体格とはいえないながらも、今季1勝、さらに8年連続で賞金シード獲得を続けている大江。そのハンデを補うためのスイングのポイントを、辻村氏は「浮かないスイング」と表現する。それは一体どういうことか。
まず、この“浮かないスイング”を支えている最初のポイント、それがダウンスイング時に見てとれる。
「大江さんのダウンスイングを見ると、非常に右腰とクラブの位置が近いのが分かります。にもかかわらず、シャフトがしっかりと立ち、外にほどけていません。この状態であれば、絶対に左肩は開きません。さらに前傾姿勢が維持されているので、体が沈み込んだ状態でビジネスゾーンを済ますことができます」
ダウンスイング時に、しっかりとタメを作り、体を絞り込みながらインパクトに向かう。顔と地面の位置を低い状態で維持することが“浮かないスイング”というわけだ。コンパクトながら、腰から腰のスイングはワイド。「フォロースルーまで一貫して低くて長い。これが小柄だけどヘッドをしっかりと走らせることができる」というのが大江のスイングのヒミツだ。
体格に恵まれた選手に対抗するための大江のスイング。アマチュアにも参考になる点は多いはずだ。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
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