国内女子ツアーを牽引する1992年生まれの世代の中でも、オフには一緒にハワイに行くほどの仲良しである成田美寿々と青木瀬令奈の新春特別対談が実現。第1回は二人の出会い、お互いの関係について話を聞いた。
【写真】優勝時の二人のハグはもはや定番
■二人の出会い
Q:初めて会った時のことは覚えていますか?
成田美寿々(以下:成田):初めて会ったのは中学3年生の関東ジュニアという試合です。
青木瀬令奈(以下:青木):その試合だったね。
成田:瀬令奈は決勝のシードを持っていて、私は予選通って決勝に進んだ。その時の練習ラウンドのスタート表に、“青木瀬令奈”って名前が書いてあって。その時から瀬令奈は有名で、この子とゴルフしてみたいっていうのがあったので。自分の名前もそこに入れて、「はじめましてー」っていきました。
青木:練習ラウンドだね。私は「かっこいい子がいるなー」と思っていた。
成田:(笑)
青木:容姿もそうだし、練習ラウンドで一緒に回っていて、今でも覚えているけど左に木があるスタートホールで、“バシーン!”ってティショット打っていて、「おぉ!いい球打つなー!」っていうのを思ったのは記憶がある。あと、「(名字が成田だから)成田空港の近くに住んでいるの?」みたいなことを聞いた(笑)。
成田:言っていたね。「住んでないよ」ってね。私は瀬令奈を見て「ひくくらい曲がらないな」って思った。
青木:ひくほど!(笑)
成田:うん(笑)。「本当に曲がらないな、この人」みたいなイメージだったなぁ。そこが出会いですね。
青木:そうだよね。出会ってから長いね。10年かぁ。
成田:その時から仲良くなって。
青木:連絡先もその時に交換したよね。
成田:そこから会う度に私が「瀬令奈〜!」って抱きついて、そのまま持ち上げて、グルグルグル〜って回すっていうルーティーンができて(笑)。
青木:そうだね(笑)、それで、同級生の男子の友達のお母さんとかに「瀬令奈ちゃん、男の子と抱きついていた…」ってすごく言われて(笑)。
成田:(爆笑)。いや、女だよ…、っていう(笑)。
青木:そうそう、「いや、あの、女の子なんです」って。それはすごく言われていた。あはは、懐かしい(笑)。
成田:でも、最初からだよね。仲いいのは。
青木:そうだね。会ったらしゃべるし、試合が終わってからの表彰式とかまでよく一緒にいたもんね。
成田:あったね。ラウンドしてから時間があったから、暇つぶしにみんなで制服着てね。
青木:あー!そうだね。一緒に写真撮ったりね。でも、仲良くなる「これ」っていう何かきっかけがあったわけじゃないよね、私たちって。逆にいえば、連絡もすごく頻繁に取るわけじゃない。
成田:そう、今もそうだよね。連絡をこまめに取るわけじゃないし、年に何度も食事行くわけでもない。
青木:うん。シーズン中も二人で食事行ったのは1回だけ…。
成田:っていう…、不思議な関係です(笑)。ケンカもしたことない。
青木:したことないね(笑)
成田:旅行とか行ってもケンカの「け」の字もないよね。
青木:「け」の字もないよね。基本的に、私たちは二人で何かをしてもしなくてもいい感じです。
成田:そう。3時間くらい二人とも無言でお互いの携帯をいじっていてもなんとも思わない。
青木:その間一切の会話なし(笑)。それで時間がきたら、「そろそろ寝るか」みたいな。
成田:そう。何をしていても…、なんだろうね。いい意味でお互いに“興味がない”みたいな感じかな。
青木:うん。許せる。
成田:夫婦?みたいな感じ。
青木:夫婦みたいですね。熟年夫婦(笑)。
成田:熟年夫婦!もう(結婚して)25年目です、みたいな(笑)。
■お互いの直して欲しいところ
Q:そんな夫婦みたいなお二人ですが、この機会に「ここはちょっと直してほしいな」っていうところはありますか?
成田:この質問、前にも聞かれたよね。
青木:なんか聞かれた気がする!でも、ない…。その時もそう答えた。美寿々はなんかある?
成田:ないよね。時間にルーズでもないし。私は時間にルーズな人が一番嫌いなんですけど、それは違うし。
青木:ルーズ気味ではあるけどね。どっちかっていったらせっかちじゃないけど。
成田:どっちかっていうと、ね。なんだろうねぇ。なんかある?なんか(直して欲しいところを)出したい気もするんだけど…。出ないんですよね。私のお酒の飲み過ぎとかは大丈夫?
青木:酒飲み過ぎかぁ…、でもさ、お酒に飲まれないから許せる(笑)。お酒に飲まれて、人に迷惑かけたら嫌だけど…。
成田:一度あるけどね(笑)
青木:あー!ある、あるある!
成田:あるでしょ(笑)。あれは本当にごめん。私がベロベロになって、車椅子で運んでくれたよね(笑)。
青木:そう、人が無力の時の重さってすごいんだなって思った。
二人:(爆笑)。
成田:めちゃめちゃ重かったでしょ?
青木:すごかった!運んだ時はトランクを開けて、頭から突っ込んで、みたいな(笑)。そんな感じだったからね。
成田:そう。人生で一番酔った時だったから…、あれ。
青木:逆に私にはなんかある?スーツケースの中を散らかすとか(笑)
成田:確かに!でも、別に人に迷惑掛けていないじゃん。
青木:まぁ、そうだね。
成田:前の車の後部座席、すごい生活感あったよね?それには「もうちょっと片付けろよ!」と思ったことがあるけど(笑)
青木:本当!?
成田:とはいえ別に…、どうでもいいしねぇ。人に迷惑をかけてないし。
青木:乗れるスペースさえあればね?
成田:そうそう(笑)
■お互いの好きなところ
Q:逆に相手のここが好きです、というところがあれば教えてください
成田:話すスピードとか、話し方とかがもう落ち着く。「彼女か!」って話なんだけど(笑)。私は結構、わー!と勢いよくしゃべるタイプなんですけど、瀬令奈はそうでもないですし。
青木:うーん。そうなるのは怒った時くらいかな。
成田:私、怒られたことないからね(笑)。
青木:好きなところは…、好みが合うかな。
成田:そう、食事の好みもね。
青木:あと、笑うこととマジメなところのツボが似ている。だから、合うんだと思う。ゴルフに対してはお互い、「すげー大好きだな」って思う。「マジメかよ!」くらいにね(笑)。
成田:全部ゴルフに例えちゃうからね(笑)。二人でハワイの街歩いていても、あのお店までの距離は“P・軽(ピッチングウェッジで軽め)かな”みたいなことをすぐに言っちゃう。結局のところ、二人ともゴルフが大好き。
青木:そうだね。ゴルフもだし、お笑いもね。でも、食が合うのが一番大きいかもね。旅行に一緒に行けるっていうのは、食が合っているからかなぁ。
成田:食べたいものが大体一緒だよね。メニューで見ているとこがだいたい一緒。
青木:そうそう。二人で同じものを悩んでいるから、同じの。なんか二つ頼んでシェアしよう、みたいな感じだしね
成田:うんうん。そこがお互い合うところかな。
青木瀬令奈(あおき・せれな)
1993年2月8日生まれ、群馬県前橋市出身。15年にキャディ兼コーチの大西翔太氏とともにスイング改造に着手、デビュー5年目にして初シード入りを果たす。17年には『ヨネックスレディス』で悲願だったツアー初優勝を挙げた。音楽ジャンルの1つである「セレナーデ(恋人や女性を称えるために演奏される楽曲)」が名前の由来で、青木自身もピアノは相当な腕前。153cm・50kg。三和シヤッター工業所属。
成田美寿々(なりた・みすず)
1992年10月8日生まれ、千葉県市原市出身。高校入学後に本格的にゴルフを始めると、12年に地元千葉で開催された「富士通レディース」で初優勝。この年、新人タイトルを総なめにする活躍を見せた。18年は「宮里藍 サントリーレディスオープン」など3勝をマークした。自称『カワイコちゃんハンター』でルックスに定評のある選手と優勝争いしたときに類を見ない強さを発揮する。167cm・60kg。オンワードホールディングス所属。
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