東京五輪の開会式まで残すところ514日。ゴルフ競技の会場となる霞ヶ関カンツリー倶楽部では、来年のビッグイベントに向けて準備が大急ぎで進められている。25日(月)には同コースで記者会見が行われ、日本ゴルフ協会(JGA)、霞ヶ関CCの担当者、東京2020組織委員会らが登壇して五輪開催についての発表を行った。
バンカーを入念にチェックする中嶋常幸
2016年のリオ五輪で112年ぶりに正式種目に復活したゴルフ競技。東京五輪でも、前回と同様に男女60人ずつの計120人が出場し、それぞれ72ホールのストロークプレーで4日間ずつ開催される。現時点では、気温や公共交通機関の影響もふまえてスタート時間は午前7時30分を予定。チケットの販売数については協議中だが、近隣の学校などを中心に、学校向けの観戦チケットの販売も自治体と検討しているという。
開催に向けての課題のひとつが交通面だ。来場者の会場へのアクセスは、最寄の4駅を中心とした輸送形態を用意している。招致の段階では1日2万人の来場者を想定しており、交通面の整備も必要だ。加えて最重要課題とするのが選手の移動。東京2020組織委員会のゴルフ競技スポーツマネージャーを務める立石泰隆氏は、「選手が出発したことを確認できるので、基本的には選手村に宿泊するよう頼んでいる。時間通りに選手に来ていただくのが最優先課題なので、東京都とチームを組んで対応している」と語った。
併せて、コースの整備については国際ゴルフ連盟(IGF)から要請を受けながら進めている。競技は東コースを使って男子の競技を行った後に女子が行われる。同コースのグリーンキーパーを担う東海林護氏は、「暑い夏の時期の開催なので、コースの芝のコンディション維持が最も重要。(男女)2週間もたせるグリーンコンディションにしなければならない」と語る。国際ゴルフ連盟(IGF)は3〜4カ月に一度コースを訪問し、加えて10日に1度はメールや電話会議でコースの状況を報告しているという。
選手が使う練習場についても、IGFから芝打席を作るよう要望を受けた。もともと東コースの18番グリーン奥にあった練習場は、五輪開催時はテレビ放送用施設として使用されるため、西コースの18番を使い、横グリーン手前からティ方向に向かって打つ350ヤードほどの練習場を仮設した。
ゴルフが正式種目として復活してから2試合目となる東京五輪。JGAオリンピックゴルフ競技対策本部アドバイザリーボードの樋口久子は、「東京大会が成功しないと、今後ゴルフが続くかに影響する。ぜひ成功させたい」と思いを口にした。リオ五輪でも強化委員長だった倉本昌弘は「リオで感じたこともあるので、それを(東京では)払拭していきたい。ゴルフ人口の減少や、若い人のゴルフ離れもあるので、東京五輪を追い風に手当てをしていかなければ」と改めて重要性を語った。今後のゴルフ人気回復に向けても大きな転機となる東京五輪に、かかる期待も大きい。ビッグイベントを1年半後に控え、やることは山積みだ。
<ゴルフ情報ALBA.Net>