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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】東京マラソンで実感した2つのこと

ひな祭りの3日、雨と寒さの中で行われた東京マラソン。ここで改めて感じたことが2つある。応援のありがたみと、悪条件からすべての人を守る必要性だ。
1つは、応援がどれほど選手の力になるか、という点だ。「皆さんの応援が力になりました」というアスリートの声を記事にしたことは、数えきれないほどある。それを痛いほど実感した最初の経験が、やはり東京マラソンだった。制限時間ぎりぎりの素人のファンランナーの初めてのフル。ボロボロの状態はトップアスリートのそれとは比べ物にならない。だが、応援してもらうとうれしく「もう少し頑張ろう」という気持ちになるのは紛れもない事実だ。苦しい時、親しい人の応援や声や顔に勇気づけられたり、まったく知らない人からでも、手を振りながら「頑張れ〜」と言ってもらえることでもらうエネルギーは、同様に感じているはずだ。日常的に孤独な練習に耐えているアスリートたちも、苦しい時ほど、そこでのプラスアルファは心の支えとなる。今年の東京マラソンは、出場した数人の知人の応援(といっても1カ所で声をかけただけだが)をしたが、それでも、うれしそうな顔で手を振りかえしてくれるとこちらも元気になる。知らない選手たちにも声をかけると、疲れた顔に笑顔を浮かべてくれることもしばしばだった。
間もなく開幕する女子ツアーの優勝スピーチでも、応援に対する感謝の言葉を聞くことは多い。特に緊張が大きい初優勝などの時には、実感を伴っている。だが、優勝経験が多い選手で、それが上っ面だけのものに聞こえることもある。優勝争いとは遠いところにいる者になると、むしろギャラリーに対して冷たいことすらある。これではいけない。どれほどうわべを取り繕っても、本心が見えてしまうこともあるからだ。
実力や得意技、ルックスなど、トップアスリートにファンがつく要素はたくさんあるが、ファンの多い選手からは、「心からの感謝」と「ファンを大切にする気持ち」が必ずといっていいほど伝わってくる。ファンだけではない。身近で応援してくれる人、サポートしてくれる人に対しても同じことがいえる。
裏を返せば、実力十分なのにファンが意外に少なかったり、周囲のスタッフの入れ替わりが激しい選手は、プラスアルファのエネルギーなしに戦い続けなくてはならないことになる。周囲で見ていて理由はすぐにわかるというものだ。アスリートだけではなく、誰にでもいえることだが、、どんなに成長し、大きくなったとしても、最初に応援してもらったときにもらったエネルギーの大切さと感謝。これを忘れないことこそ、人として大きく成長する絶対条件だろう。
もうひとつ、今年の東京マラソンで痛感したことは、屋外スポーツのイベントは天候次第では人々の生命にも危険を及ぼすということだ。
当たり前のようだが、この見込みが甘いと地獄を見る。今回の東京マラソンは、3月開催にもかかわらず、スタートの午前9時の気温が5.7度、予報より早く降り出した雨がしとしとと降り続け、ランナーたちを苦しめた。この極寒に長時間さらされることになった一般ランナーは必死の思いで足を進めていたが、同時に、限界に挑むトップランナーたちをも苦しめた。日本記録保持者で期待を一身に集めた大迫傑が、29キロ付近で棄権。「寒さの影響で体が動かなくなった」のが理由だという。他にも棄権したトップランナーはいた。
大きなイベントになればなるほど、一度決めたスケジュールを変更することは難しい。天候は人知の及ぶところではなく、その条件下で我々はできることをするしかない。それでも、出場選手や周囲のためにできる限りのことをしなくてはならない。
今回の東京マラソンに関しては、幸いなことに今のところ、大きな事故だったという報告はなさそうだ。気温の低さと雨で主催者を攻めるのは筋違いだろう。それでも、条件の整ったトップランナーたちでさえ、直前に寒さの中にいることを強いられた環境は、もう少し考えられてしかるべきなのではないか。スタート前の待機時間が30分近くになる一般ランナーたちからは「そこが一番大変だった」という声も噴出している。
これは、今回とは正反対の猛暑の8月に行われる東京五輪への大きな教訓でもある。マラソンは、スタート時間を早めて対応しているが、それでも、競技中の選手は、集中するあまり自分の体調の変化に気づかないことがある。選手以外のスタッフやボランティア、観客などはなおさらだ。
ここで気になるのがマラソン同様、いや、考えようによってはマラソン以上に危険と思えるゴルフ競技の準備についてだ。東京よりも暑い埼玉県の霞が関CCで猛暑の中に行うという信じられない決断は、いまさら変えることはできない。そこで、どれだけ選手、スタッフ、ギャラリー、ボランティアを酷暑から守ることができるのか。それぞれが建物に避難しやすい都内ではなく、ゴルフ場という特殊な空間では、暑さから逃れる場所は主催者側が用意するしかない。そこに万全の策が取れるのか。日本代表として女子の選手も2人は参加することになる東京五輪だけに、準備不足では許されない。
さらに、五輪直前には「プレ五輪」として日本ジュニアも同じ霞ヶ関CCで開催すると言う。これをプレ五輪として行うこと自体もまったくおかしなことなのだが、それはまた別の機会に。年々、暑さがひどくなる状況も鑑みず、以前と同じように夏休み期間であるとか、ゴルフ場の都合で使わせてもらう、などという理由で、ジュニアたちを酷暑にさらす愚をいつまで続けるつもりなのだろうか。将来の有望選手や、五輪代表選手、そしてファンを含めた大会に携わるすべての人たちを危険な目に遭わせないために、最大限の努力が求められる。(文・小川淳子)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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