<ヨコハマタイヤ PRGRレディス 初日◇15日◇土佐カントリークラブ(高知県)◇6228ヤード・パー72>
先週の開幕戦では予選落ちを喫したが、韓国を代表する実力者が日本ツアー初優勝に向けて好発進。昨年の韓国女子ツアーで賞金ランキング2位に入ったペ・ソンウ(韓国)だ。
サングラスを外したお姿がこちら【写真】
昨年の日本QTに参戦。ファイナルで14位に入り、今季前半戦の出場権を獲得した。「数試合は韓国の試合に出るかもしれませんが、基本的に日本の試合に出ます」と話す。なぜそれほどの実力者が絶頂期に日本へ?本人を直撃してみると、意外な答えが返ってきた。
11歳からゴルフをはじめたソンウは、テレビで日本や米ツアーのゴルフ中継を見る機会があり、そのとき見た日本の試合が「北海道meijiカップ」。優勝者にチョコレートなどのお菓子が副賞として贈られるのを見て、「チョコレートが好きだったので、あんなにもらえるんだ!出たい!」と思ったのがキッカケという。
ひとことで言うと、「日本が好き」と日本熱は徐々に高まり、ついにはツアー参戦も果たした。「ダイキンオーキッドレディス」では「グリーンに驚きました!コーライははじめてだったので、『???』状態でした(笑)」と苦しんだが、さすがは韓国ツアー2位。一気に立て直してみせた。
実は今週の土佐カントリークラブは、「韓国のコースに似ているんです」と語る。さらには、「去年、韓国でいい流れを作れて、そのままの状態で来ることができました」と、ゴルフの調子に加えて、慣れ親しんだコースのような気分で回れているのが好調の要因でもある。
「新人のような気持ちで臨んでいるのが新鮮です」と、強豪らしからぬ心構え。コース入りの時にはキャディに飲み物を買ってくるなど、人柄も穏やかで律儀な一面を持つ。「常に『そこ』にいるような、変わらない、そんなプロゴルファーでありたいと思っています」と、謙虚な姿勢を貫いていく。
「外国人なのに、日本のギャラリーは私のことも応援してくれる。とてもうれしいです」と、ホールアウト後はサイン待ちの列に駆け寄った。韓国選手といえば、イ・ボミのスマイル・キャンディのようにニックネームがつくことが多いが、「私にはありません。ぜひ考えてください!」とファンにも呼びかけた。
日本ツアールーキーとしての心得を崩さず、「ひとつひとつが学びの場。明日は風が吹くと予報が出ていますが、勉強しながらプレーしたい」と、大好きな日本でのプレーを満喫するつもりだ。(文・高桑均)
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