<ヨコハマタイヤ PRGRレディス 2日目◇16日◇土佐カントリークラブ(高知県)◇6228ヤード・パー72>
3日間競技の2日目は、プロにとって明暗がくっきりと分かれる日。夕闇迫る練習場は、最終日の上昇を目指す選手、優勝争いに向け準備をする選手とさまざま。中には、予選落ちを悔やみ、復習に励む選手と、実にバラバラだ。
原英莉花が振り袖やドレス姿に変身!【写真集】
「ヨコハマタイヤPRGRレディス」2日目。風と寒さに耐え、スコアを伸ばした選手もいれば、崩した選手もいる。ジャンボこと尾崎将司のまな弟子として期待を集めるルーキーの原英莉花にとっては、悔しい2日目となってしまった。
初日は2オーバー。2日目はスコアを伸ばすしかない状況で10番スタートの前半を2アンダーにまとめ予選通過圏内に浮上。ところが、後半は5つスコアを落とし、カットラインに3打及ばずに予選落ち。帰途につくことなく、悔しさをにじませ練習グリーンとアプローチグリーンで2時間以上、復習会を敢行した。
「アプローチとパッティングのショートゲームがダメでした」と冷静に自身の現状を分析した原。圧倒的な豪打が売りの20歳も、6200ヤード台と女子ツアーの中でも短いコース攻略が不発に終わった2日間を振り返り、ショートゲームのおさらいをひたすら繰り返した。
長身としなやかなスイングから繰り出されるドライバーショットを武器とする原。この日の最終ホールとなった9番の383ヤード・パー4では、フォローの風と打ち下ろしも味方につけ、なんとグリーンサイドのバンカーに打ち込んだ。「飛びましたけど…」と苦笑いを浮かべ、スコアにつながらないもどかしさをみせた。
昨年はプロテスト合格に加え、ステップ・アップ・ツアーでも優勝と将来が期待される逸材ながら、レギュラーツアーがそれほど甘いものではないことも理解している。だからこその居残り特訓。次戦以降への決意を新たにした
初日もホールアウト後はパッティング練習で2時間近くボールを転がし続けるなど、課題克服のための努力は惜しまない。プロなら当然ともいえることだが、他を凌駕する飛距離だけでは通用しないことを自身が最も理解している。
周囲からの期待を身をもって感じているが、納得いくまで球を打ち続け転がし続けるのは、その期待に応えたいからこそ。シーズンはまだ始まったばかりだが、いつの日かこの悔しさが成果に結びつく。豪打だけではない、総合力の原英莉花となるべく、まだまだトップレベルへの道は始まったばかりだ。(文・高桑均)
<ゴルフ情報ALBA.Net>