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「骨が折れても担いでもらう」 優勝を引き寄せた河本結の“弟愛”

＜アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 最終日◇31日◇UMKカントリークラブ(宮崎県)◇6525ヤード・パー72＞
レギュラーツアー初優勝をかけて戦った3日間、河本結の背中を支えたのは絶大な信頼を置く弟だった。本大会でキャディに起用したのは、日体大に通うひとつ年下の弟・力（りき）。アマチュア時代に出場した2年前の本大会でもバッグを担いでもらったが、当時は予選落ち。今季のレギュラーツアー参戦が決まってから、リベンジを果たそうと、ここ宮崎での弟の起用を即決した。
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小さい頃からずっと一緒にゴルフをしてきた弟は一番の戦友。ラウンド中も、歯に衣着せぬアドバイスでいくども姉を助けた。「弟は、安心するための一番のお薬みたいなもの」。そう表現するほど強い絆で結ばれている。
その弟に、最終日に思わぬハプニングがあった。ティオフ前の練習場に向かう途中、力が人にぶつかって転倒。「血だらけで、弟も東建ホームメイトカップの出場が決まっているので心配だった」と言いながらも、手当を受ける弟にかけたのは、『やるよね？』という言葉。
単独首位で迎えた最終日だからこそ、どうしても“薬”が必要だった。力もその気持ちは百も承知。「できる、余裕だよ」と二つ返事で引き受けた。「骨が折れていても、弟に担いでもらおうと思った。一流選手ばかりの中で負けないためには、自分に自信を持ってプレーするしかない。弟がそばでサポートしてくれたからこそ優勝できた」と姉は笑顔を見せた。
副賞としてもらったベンツは、御礼として弟へ。今は姉のお下がりの車を使っているが、開幕前から「オレが乗る！」と豪語していたのだとか。表彰式でカップを掲げる姉の脇で、キラキラした目で嬉しそうにベンツを見つめた力。だがもちろん、ホールアウト後に姉と抱き合った時の表情が一番輝いていた。（文・谷口愛純）
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