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海外封印でも届かなかった賞金女王　それでも申ジエがANAインスピレーションに出場するワケ

＜ANAインスピレーション 事前情報◇2日◇ミッションヒルズCC（米国カリフォルニア州）◇6763ヤード・パー72＞
2014年の日本ツアー参戦後、5年連続で複数回優勝＆獲得賞金1億円突破。さらに18年には日本ツアー史上初となる公式戦年間3勝を成し遂げた申ジエ（韓国）。そんなツアー屈指の実力者が未だに手が届いていないのが、日本に来た当初からの悲願である賞金女王である。
まるで芸術作品　申ジエのアプローチ連続写真
世界ランク一位となり目標を見失いかける中で、ジエが見つけた新たな目標が韓国、米国に続く3か国目のマネークイーンの座だった。来日当初は海外メジャーには出場しながら目指していたが、賞金ランクトップ5に入るものの賞金女王にはなれなかったため、18年には海外メジャーも封印。日本一本に絞って戦ったが、アン・ソンジュ（韓国）に続く2位とまたしても手が届かなかった。
そんなジエが19年は海外女子メジャー「ANAインスピレーション」に出場する。だが決して女王を諦めたわけではない。そこには彼女なりの理由があった。
「例えばミッションヒルズのラフは、洋芝ですし長さも太さもあって非常に出しづらい難しいです。月曜日に練習ラウンドしたときには中々出すのに苦労しました。日本にはこういったラフはほとんどないですから、出す技術を忘れていたんです。そういった技術を失いかけていたことをこのオフに感じていました。だから、今年はANAに来たんです」（ジエ）
あまりに違うアメリカをはじめとする海外のコースと日本のゴルフ場。それだけに求められるものも大いに違うが、ゴルファーとしてさらなる高みを目指すためには、両方に対応できる技術が絶対に必要だ。ひいてはそういった技術が賞金女王を目指す上で失ってはいけないものだということも分かっている。だからこそ、日本ツアーの2試合、特に3年連続でトップ5に入っている得意大会「ヤマハレディース」を選ばずにアメリカへとやってきたのだ。
今年は今大会以外にも海外女子メジャーに出場する予定だが、決して賞金女王を諦めたわけではない。むしろ近づこうとしているのである。かつて世界一位となり、今でも日本のメジャーで3勝を挙げながら、まだまだ探究心は衰えることはない。それが彼女の強さである。（文・秋田義和）
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