<ヤマハレディースオープン葛城 初日◇4日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6,564ヤード・パー72>
香妻琴乃の欠場で、開幕前日にウェイティングから出場が決まった金澤志奈が、1アンダー・3位タイ発進。ツアー屈指の難コースで首位と2打差の好スタートを決めた。
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「強い風が吹く難しいコンディションのなか、いいプレーができたと思います」。金澤はこう1日を振り返り、白い歯を見せた。この日もロースコアで進むという大方の見方通り、トップでも3アンダーという展開。そのなかで2バーディ・1ボギーと派手さはないが安定したゴルフで上位にとどまった。「ショットがよかったです。パーオン率がよかったのでこのスコアに繋がりました」。18ホール中15ホールのパーオン成功が、好発進の大きな要因となった。
金澤は、松田鈴英、勝みなみらと同じ2017年のプロテスト合格組。同年にはステップ・アップ・ツアー「山陽新聞レディース」でプロ初優勝もつかんだ。さらにファイナルQTを28位で通過。昨年はレギュラーツアーにフル参戦し、32試合の経験を積んだ。しかし賞金ランクは57位。50位以内の賞金シード、さらに55位以内の前半戦出場権獲得を逃すと、昨年のファイナルQTも52位に終わり、今季は限られた試合のなかで賞金を積み重ねる必要がある立場となった。
毎年オフには申ジエ(韓国)の合宿に参加。今後の飛躍が期待される23歳は、まずはレギュラー定着に向け、ここで腕を磨く。今年も1月半ばから1カ月間、ベトナムでゴルフに打ち込んだ。「ジエさんが1番練習している。ゴルフに対してすごく真剣に向き合っているなと毎年思います」。ジエのゴルフへの姿勢はもちろんのこと、技術面でもそのスイングを見ては、自分との違いを研究するなど、元世界1位のゴルフを自分にしみ込ませようとしている。
また金澤が課題としているアプローチの技術では、「ジエさんの100ヤード以内のショットの球の高さをイメージして、ルーティン、アドレス時から、それを実践できるように頭に描いています」と世界クラスのワザを盗もうと必死だ。「私もジエさんみたいになりたい」。大きな背中を目標に、クラブを振っている。
今季はこれが4試合目の出場。ここまで予選を通過した2試合は22位タイ、26位タイと中位でフィニッシュ。獲得賞金は約137万と、第1回リランキングに向け着実にその額を増やしているが「そこ(リランキング)は全然気にしていません」と、おっとりとした口調で話す。「出られる1試合1試合で自分の力が出せたらいいな。そう思ってラウンドしています」。ジエから学んだ技術が23歳の背中を後押ししている。(文・間宮輝憲)
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