<オーガスタナショナル女子アマチュア(決勝) 最終日◇6日◇オーガスタナショナルGC(米国ジョージア州)◇6365ヤード・パー72>
記念すべき第1回大会を制したジェニファー・クプショ(米国)と最終組で敗れたマリア・ファスィ(メキシコ)。ともに、昨年の10月に行われた今季米国女子ツアー出場権を懸けたQシリーズで同出場権を獲得していたが、プロ転向を見送り、本大会にアマチュアとして出場した。
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クプショはQシリーズを2位、ファスィは32位で通過。かなりの試合に出場が見込まれたが、ともに大学を卒業することを選択。そして、オーガスタナショナルGCの歴史を変えた1日に名勝負を繰り広げた。
大会最終日は「マスターズ」と同会場で行われ、大勢のパトロン(ギャラリー)が詰めかけ、熱気を帯びた。試合展開も白熱し、最終組の2人がオーガスタの“サタデーバックナイン”でパトロンを魅了した。
後続が伸び悩むなか優勝争いは2人に絞られ、12番を終えてファスィが2打リード。13番でクプショが会心のイーグルを奪い並ぶと、14番ではファスィがバーディで抜け出した。15番ではクプショが再びバーディで並ぶと、16番でもバーディ。ボギーとしたファスィに2打差をつけた。
17番をともにパーとした2人。最終18番ではクプショがバーディ、ファスィがボギーで結果的には4打差で女子アマチュアランキング世界1位のクプショが激闘に終止符。同じ境遇で親友同士。最後は熱い抱擁で大会を締めくくった。
多くのアマチュアが若くしてプロ転向する中、クプショも昨年プロ転向を考えた。それゆえのQシリーズ受験だったが、「チームと一緒に大学生活を終えたかったし、ちゃんと卒業して学位を取りたかった」と、アマチュア残留。その上で本大会に出場し、世界中の注目を浴びることとなった。
とはいえ、クプショは本大会に出るためにアマチュアに残ったわけではなかった。ただ、今回の優勝が持つ意味は計り知れないと話す。「1位と2位の選手が2人ともプロ転向をせずにアマチュアに残った選手。その2人でこういう試合ができて本当にうれしかったし、今後の女子ゴルフ界にも影響を与えることを願いたい。プロ転向を待ってこの大会に出たいと思う選手が出てくることになると思う」。
チャンスをつかみながらもプロ転向を保留した大学生2人による優勝争い。「とにかくゴルフを楽しむことが大事だと思う」とクプショがいうように、女子ゴルフに最高の舞台が用意されたのは間違いない。オーガスタでプレーしたいと夢見てきた少年達だけでなく、これからは少女達にとってもオーガスタが目標になりそうだ。(文・高桑均)
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