<KKT杯バンテリンレディスオープン 初日◇19日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6428ヤード・パー72>
「KKT杯バンテリンレディス」初日に、大西葵が6バーディ・2ボギーの「68」をマークして2位タイ発進。2017年の「スタンレーレディス」以来となる60台に「うれしい!」と声が弾んだ。
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好発進につながった要因は、「ヤマハレディース」から取り入れたアームロック式のパッティング。中尺ほどの長さのパターを左腕に固定して打つこのスタイルは、大西が参考にしたというブライソン・デシャンボーや、マット・クーチャー、バッバ・ワトソン(いずれも米国)といった米ツアー勢、さらには地区大会「日神カップ 千葉オープン」を制した石川遼も取り入れている、流行りの打ち方。大西もにとっても、しっくりくるスタイルだ。
「5年くらい前からパッティングで手が動かなくなっていて…ずっと試行錯誤しています。たまに治ったりするのですが、今年は全く良くならなくて。クローグリップも試してみたのですがやっぱり手が動かない。これで最後と思ってアームロック式をやってみたら動いてくれたので、これでいこうと思いました。私の場合、入る入らないよりも動いてくれればいいので」(大西)
取り入れたヤマハ-で今季初の予選突破。先週は棄権してしまったが、今週は好発進と着実に身になっている。
このアームロック式をオフから勧めていたという、兄でキャディ&プロコーチの大西翔太氏がメリットを説明する。「一番は手だけではなくヒジまでパターと接地するので、接地面積が大きくなることでの安定感ですね。あとはこの打ち方にすると、どうしてもボールとの距離が近くなるので、上からボールを見るかたちになる。吊る感じというか、振り子の感覚で打てます。この二つがパットで悩んでいる人に向いているところです」。なお、この打ち方を妹に初めて勧めたときは、箸にも棒にも引っかからなかったらしい。
この妹思いの兄に対し、妹は「お兄ちゃんが色々と言ってくれました。まぁほとんど聞いてないですけど(笑)」とぶっきらぼう。それでも「言ってくれる人がいるから、頑張ろうという気持ちになりました」とツンデレ気味?に支えになっていると話した。
ようやく見つけた自分の戦えるスタイル。首位と1打差と好位置につけて挑む第2ラウンドも、「私は気合いが入るとダメになる。普通にいきます」と平常心でパッティングを決め続ける。(文・秋田義和)
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