<アジアパシフィック ダイヤモンドカップ 事前情報◇8日◇総武カントリークラブ 総武コース(千葉県)◇7333ヤード・パー71>
先週、令和になって初の国内男子ツアー「中日クラウンズ」を制した宮本勝昌が、次戦の地であらためて2年ぶりの優勝を振り返った。
宮本勝昌のセッティングを現場で激写!【写真】
最終ホールで10mのバーディパットを決めて勝利を呼び込んだが、競り合いの中でライバル達がスコアを落としていることは知らず、「展開のあやだったのでしょうね。あとでテレビを見てビックリしました」と、まさかの結末だったことを明かした。
派手なガッツポーズもなく、照れるように一瞬下を向き、観客の歓声に応えた宮本。「驚くような優勝でした」と、ツアー12勝目を家路につく車の中で家族とともにかみしめたという。
「優勝はだいたい2年から4年のサイクルなので、間が空いているとは思わないのですが」とした宮本だが、昨年は6月頃からめまいなどの症状に苦しみ、調子も上がらずに賞金シード落ち。そのため、今回の優勝は復活のイメージが強く、仲間からの祝福メールやメッセージも心に響くものがあった。
大学同期で、あすからの予選ラウンドをともにする片山晋呉もそのひとり。『うれしかった。いいものを見た。ありがとう』とのメッセージに、「いいことをいうんですよ、あいつは(笑)」と、同期からのメッセージに胸を熱くした。さらには、中日クラウンズ最終ホールでボギーをたたき、結果的にそれが宮本との1打の差となった今平周吾からもお祝いの言葉が届いた。
皆から温かく祝福された宮本だが、今後はある目標も視野に入る。今週の優勝者には7月の「全英オープン」出場権が与えられるほか、6月の「日本ゴルフツアー選手権」までの賞金ランキング2位に入れば、全英出場が決まる。「世界の試合、行けるなら楽しみにしたい。現実的に考えたら、ランキング上位のほうがチャンスはあるので、本音をいえば賞金を積み重ねたい」と、まずは意気込みすぎず冷静に挑む。
本大会はフェアウェイも硬く、ティショットがラフへと突き抜けてしまう危険性をはらんでいる。加えてグリーンも小さく硬い。そんな難コースを相手に警戒感を強めるが、「(全英で)タイガー・ウッズに会いたい(笑)」と冗談をいうあたりは、さすがベテラン。9年ぶりの全英出場のために、まずは初日を安全運転で滑り出したい。(文・高桑均)
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