<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 初日◇9日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6560ヤード・パー72>
4バーディ・1ボギーの「69」をマークし、首位と1打差の3アンダー・2位タイと好発進した柏原明日架。悲願の初優勝に向け、勝者に不可欠な“メンタリティ”を意識しながら、明日からの戦いに挑む。
ちょっとクマさんっぽい柏原明日架【写真】
「ティショットが安定していて、フェアウェイからショットを打つ場面も多かったです。ラフにいくと、なかなかチャンスにつかないコースなので」。14ホール中10ホールでフェアウェイをヒットしたティイングエリアでのプレーを、この日のスコアの要因とした柏原。最近感じていたモヤモヤを払拭するようなラウンドに、納得の表情を浮かべた。
「ショットの状態は、プロ入りしてから“一番いいのでは?”というなか開幕を迎えることができましたが、ここまではそれがなかなかスコアにつながりませんでした。チャンスにつけてもパットが外れてしまったり…」と、かみ合わなさを感じていた序盤の戦い。開幕戦は11位タイと上々の滑り出し、その後の5試合も左手親指痛で棄権した「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」以外は決勝まで進出するなど、最低限の結果は出してきた。
だが、「フジサンケイレディス」、「パナソニックオープンレディース」と続けて予選落ち。好調で迎えたシーズンだっただけに、もどかしい。パナソニックオープンレディースを終えた後の練習でも、しっかりとイメージ通りに飛んでいくボール。これを見て、「いい球を打っているんだと自分に言い聞かせることが大事」ということを強く感じたという。
ゴルフはメンタルのスポーツとはよく言ったものだが、柏原もその大事さを痛感しているという。そう思うきっかけについて聞かれると、「勝てていないということが、自分のなかで一番のポイント」と答えた。「技術的に足りていない部分もたくさんあるけど、それだけでなく頭や心の部分が足を引っ張っているのではないか、そう思いました」と、自分を見つめなおした。報道される上位選手のコメントに目を通し、優勝する選手の考え方を自らに落とし込むなどして、“足りない何か”を埋めようとしている。
もちろん技術面の追求も怠らない。例えば「100ヤード以内のショットを重点的に練習している」というなかで、先週からウェッジに鉛をつけ、ミスの幅を狭くするための工夫を取り入れるなど試行錯誤を続けている。
「ようやく自分のなかでスタートできたと思います。自分の持ち球を4日間…1年間ずっと打ち続けられるのが強い選手だと思うので、それを目指していきたい」。“大器”と呼ばれ続けた23歳が、しっかりと自分を信じ、最高の結果に向け歩みを進める。(文・間宮輝憲)
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