毎週、ゴルフツアー会場で選手たちを撮影し続けるプロカメラマン。インサイドロープでプロゴルファーの凄みや熱気を感じ、ときおり会話のやりとりを見聞きするなど、“試合中の選手たちに最も近いメディア”であるツアーカメラマンが見た印象的な景色を紹介する。【中京テレビ・ブリヂストンレディス編】
ウォーターショットの後のプレーをまとめました!【フォトギャラリー】
最終的に3位タイに入ったペ・ソンウ(韓国)は、ここまでで何度も優勝争いに加わるなど、昨季韓国ツアー賞金ランキング2位の名に違わぬプレーを見せている。今大会でも首位発進を決めてスタートダッシュを切ったが、2日目の9番ホール(パー5)に大きな落とし穴が。
3日間の難易度が12番目というバーディを獲りたいホールで、3打目を左の池に入れてしまった。ここでソンウはシューズを脱いで、靴下も脱ぐとそのまま池へと入りウォーターショット。しかし、このショットは手前のバンカーにつかまってしまう。結局このホールのスコアは「7」と、ダブルボギーで首位争いから後退してしまった。
この光景を撮影していた上山敬太カメラマンは、シャッターを切りながらソンウの判断の早さに舌を巻いていた。
「ソンウ選手がこちらに歩いてくるシーンから撮影していたのですが、驚いたのはボールのライを見てすぐに、女子の選手では珍しいウォーターショットをすると決めたこと。写真の撮影時間を見直してみると、ボールに向かって歩いている写真とシューズを脱ぎ始める写真との時間はわずかに一分程度。いくつか選択肢がある中で、その決断の早さにびっくりしました」(上山カメラマン)
この後、それ以上に驚きの光景が待っていた。「ソンウ選手はウォーターショットの後、そのまま裸足でバンカーショットの落としどころの確認のためグリーンに行き、バンカーからも裸足で打っていたんです。その後のパッティングではシューズをはいたのですが、靴下をはかずに裸足ではいていました」。なんと、最後まで靴下をはかずにこのホールを終えたのである。
「靴下をはいていると時間がかかってしまい迷惑がかかる、と同伴競技者に気を遣ったのでしょうか。裸足でグリーンを歩く姿を撮影したのはほとんど記憶にありません。裸足でプレーを続けた理由をぜひ聞いてみたいですね」と長年トーナメントを撮影している上山カメラマンも驚く一幕だった。
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