<〜全英への道〜ミズノオープンatザ・ロイヤルGC 初日◇30日◇ザ・ロイヤル ゴルフクラブ(茨城県)◇8016ヤード・パー72>
ホールアウト後、3番アイアンとボールを両手に持ち笑顔を見せた木下稜介。570ヤードの3番パー5でアルバトロスを達成した“相棒たち”とともに、誇らしげに写真におさまった。
虎さんはグリーン上でもコミカルです【LIVEフォト】
この日、午後組の10番でティオフした木下は、「グリーンを外しても、しっかりとパーセーブができた」と、スタートから17番まで8つパーを並べるガマンの展開。ようやく18番でセカンドショットを50cmにつけるベタピンバーディが出て、後半に入った。この後も1、2番をきっちりパーとして迎えたのが、「人生初」というシーンが生まれた3番だった。
ここでのティショットを左ラフに入れた木下だったが、「風がフォローなので、手前からワンクッションしてグリーンに乗れば」とツーオン狙い。セカンドショットを放ち、グリーンへと向かった。この時すでにカップインしていたのだが「ギャラリーが1人でした(笑)」ということもあり、その事実に気づかず。到着してもボールが見当たらなかったため、「オーバーしたかな」とグリーン奥へと向かおうとした。
すると同組のアンジェロ・キュー(フィリピン)から「カップ チェック」の声。覗きこんでみると、そこにボールがあり、「まじか〜! という心境。超うれしかったです!」と、一気にテンションを上げた。
その後は1つスコアを落としたが、1アルバトロス・2バーディ・2ボギーで、この快挙がそのままスコアとなる3アンダー・4位タイ発進。今季5試合で4度の予選落ちと苦しい序盤戦を送るなかで生まれたビッグプレーだっただけに「ものすごくうれしいし、大きい」と喜びもひとしおだ。
「一生で一度あるかないか」という令和初アルバトロスは、こちらは合宿などに参加して教えを請う、令和初エース達成者の谷口徹にも報告するつもり。「入る所が全く見えなかった」と目に焼き付けることができなかったのは少し残念そうだったが、それでも1986年以降のツアーで41回目の達成。しっかりと記録に名を残した。
ホールアウトしてきた他の選手からの、「よっ、アルバトロス野郎!」などの祝福にも笑顔で応えたが、「まだ初日なので、明日もしっかりアンダーパーで上がりたい。全英もかかっているが意識はしていない」と緩みは禁物と自分に言い聞かすのも忘れなかった。これまでの自身最高位は2014年「ダンロップ・スリクソン福島オープン」での2位タイ。このプレーをベスト更新への追い風にしたい。(文・間宮輝憲)
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