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名勝負を制した原英莉花の裏で 泣いたのはプロ、淡々としていたアマ【記者の目】

初優勝が嘱望されていた20歳・原英莉花が、ホールに渡るプレーオフのすえに念願のタイトルを手にした。プレーオフまで進出し最後まで原に食い下がったペ・ソンウ(韓国)、8番ホールでワンオンイーグルを奪った河本結、ベテランのような粘りのゴルフを見せたアマチュアの古江彩佳らを抑えて、歓喜の瞬間に酔いしれた。
原英莉花の“貴重”な涙【フォトギャラリー】
いつもは明るくておどけたところもある原が、表彰式の場所に移動するまでに、「(ギャラリーに)“おめでとう”といわれて鳥肌が立つとともに込み上げてきて…」と涙を流したことは特に印象的なシーンだった。間近で見ていた原の母親が「今日の戦いは相当気持ち的にきつかったと思います。それでもあの子が泣くとは思いませんでしたが…」と言うほど珍しい姿。まさに死闘と呼ぶにふさわしい戦いだった。
その裏で同じく涙を流したのが河本だった。いや、表舞台で、といってもいいかもしれない。18番グリーンでパーパットを入れたときには、すでに泣き始めていたのだから。
「悔しさが込み上げた。めっちゃショック…というよりも自分への怒りですね。12番ホールで風を読み間違えて入れちゃいけないバンカーに入れてボギー。それを引きずってしまった。バックナインで伸ばせないのは自分の実力のなさ。自分に負けたことが悔しい」
ホールアウト後、一度トイレに立ち寄り落ち着いてから取材場所に現れたが、よっぽど悔しかったらしい。話している途中でもう一度涙を拭う場面があった。
一方で単独首位からスタートして河本と同じ3位タイに終わった古江は、割とスッキリした表情だった。「今日は朝の練習から調子が悪かった。ドライバーは曲がるイメージしかなかった。ピンチもあったけど、ノーボギーで回れたのはよかった。耐えられた。すごくうれしいですね」。今日の調子では優勝は厳しかった、と心のどこかで思っていたのかもしれない。
もちろん悔しさがなかったわけではなく、「粘りのゴルフはできたのですが、攻めきる気持ちが足りなかった。緊張はしなかったですが、肝心なところで力が入っていましたね。勝ちたい、と言う気持ちがあったと思います」と話したが、そこには涙も怒りもなかった。
最近の若いプレーヤーには、古江のようなタイプが多くなったと感じる。我々メディアの見えないところでは涙を流しているのかもしれないが、少なくとも取材の場では「今日は私の日ではなかった」、「仕方ないですね」といったコメントが多い。ツアー通算41勝で永久シード保持者の森口祐子も以前「準備されていたかのようなコメントを出す子が多くなったように感じるわ」と話していた。
淡々と振り返る選手が増えた背景には、メンタルトレーナーをつける、もしくはそういった類いの情報が増えた、といったこともあるだろう。また、最近の風潮として感情を表に出さない方が“かっこいい”というのもあるかもしれない。
どちらがいい、悪いを論じるつもりはない。要は自分に合ったかたちを見つければいいのだ。河本のようなタイプの代表格と言えば鈴木愛、後者の代表は宮里藍。どちらにだって強い選手はいる。なお、先述の森口は宮里を見て育った選手が増えたことが、そういった態度の選手が増えているのでは、と推測していた。
毎週のように上位に顔を出すいわゆる“黄金世代”でもタイプは分かれる。勝みなみが“笑ってプレーすること”に主眼を置いていれば、新垣比菜も小学6年生で出場した「ダイキンオーキッドレディス」では号泣していたものの、プロとなって以降は基本的には淡々と振り返る傾向にある。古江も2日目を終えて実際に口にしていたが、相手どうこうよりも自分のゴルフをすることが一番大事、というタイプだ。
また、プレーオフ1ホール目で原に「私なら絶対に入らない」と言わしめた6mのパーパットを沈めるなど、最後まで食らいついたソンウは、終わった後「今日は原さんの日。おめでとうと祝福しました。力が及ばなかった」と淡々と振り返っている。
一方、今大会活躍した原と河本は闘志むき出しの生粋のファイターだ。「目の前に敵がいるのは嫌いじゃない」と原が言えば、河本も初日から「勝つことだけを考えてやっている。最後は気合いで勝ち取れればいい」と話すなど、気持ちで優勝をつかみ取りに行くタイプ。もちろん自分のゴルフが大事だが、なにより相手を超えることが一番だ。明確に“敵”という表現を使ったことからも、そのことが感じられる。その分、感情表現も大きい選手が多い。
ファイター2人と自分のゴルフをする2人。そのコントラストが勝負をより鮮やかに彩った。バーディを奪うたびにガッツポーズをする原と河本、淡々と笑顔を浮かべながらプレーをするソンウと古江。もちろん原と河本にも笑顔はあったし、後者の2人もガッツポーズしていたが違いは明らかだった。まさにイデオロギーのぶつかり合い。原とソンウ、河本と古江と異なるタイプ同士が同じ組だったことも、対比をより際立たせた。
以前、三ヶ島かなと企画で対談したハマの番長こと三浦大輔(現・横浜DeNAベイスターズ投手コーチ)は、ファンサービスについて聞かれた際にこう言った。
「色々な個性があっていい。完全なツンデレなキャラなら、ツンデレを貫くキャラをつくってほしいし、常に笑顔でいるキャラも必要。ほかには誰もいないようなキャラをつくったほうがいいよ。みんな一緒だったら面白くないもん」。
名勝負は優勝者だけでは作り得ない。スコアだけでもダメ。敗者たちにもまたキャラクターがあり、ドラマがあってこそ作り出されるのである。それがうまく交わったからこそ、今大会は名勝負たりえたのだ。
だからこそ―。河本にはいつまでも変わらず全身全霊で悔しさを表現して欲しい。その姿に心を打たれる人は少なくないはずだから。(文・秋田義和)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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