112年ぶりにゴルフが五輪競技に復帰したのが2016年のリオ五輪。そして来年の8月に迫った東京五輪がにわかに注目を集めてきた。
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26日(水)、オリンピックゴルフ競技対策本部は、懸念だった女子コーチをついに発表。宮里藍への就任要請を断られてから紆余曲折があり、服部道子に落ち着きホッと胸をなで下ろしているといったところか。
今年の5月12日、「小林会長からお電話をいただき、最初は『私でいいの?』と思いました」と驚きとともに受けた就任要請だったが、翌13日に引き受ける旨の連絡を入れたという。「海外での経験を生かすことができればいいし、恩返しできればと思い、引き受けました」と、興奮を抑えつつも神妙な面持ちで記者の前で発表した服部の手腕に期待したいところだ。
前回大会と変わらず、ヘッドコーチは丸山茂樹が務める。服部と組んで五輪日本代表チームを引っ張ることになるが、そもそも、完全な個人競技なうえ、競技方式も個人のストロークプレーとあっては、コーチの出番は少ないのでは…。
「リオのときと変わらず広報担当として頑張る。選手に求められれば即座に答えられるよう準備はしていきたい。女子コーチに就任した服部さんと一緒に準備して、明るく楽しくチームを導きたい」とした丸山。基本的には、“コーチ=教える”ではなく、チームのムードメーカーかつ広報担当の役割が大きいという。
「今回のコーチの大きな役割はスポークスマン」と服部も同意する。個々人がコーチを持つ(出場が濃厚な松山英樹や畑岡奈紗は帯同コーチがいないが…)ゴルフ界において、両名に技術指導が求められるわけではない。「海外にいる松山英樹だったり、そう多く時間をとれない。少しずつコミュニケーションをとっていくこと、それが精一杯」と丸山自身も3年前の経験から、できることがそう多くないことを痛感している。
その上で、「女性に対してどこまで言っていいのか、女性のデリケートな部分(に対応するの)が難しかったし、女性の先輩がいたほうがいいと思った。選手も女子コーチのほうが話しやすいだろうし、服部さんは適任だと思います」と、女子コーチ=選手の精神面のケアという点でも服部の役割は小さくないと話す。
これについては、同本部強化委員会委員長の倉本昌弘も「松山君も畑岡さんも(五輪までの期間は)試合も始まっているので、個人で日々管理していただくしかない。丸山くんや服部さんがおっしゃっているように、精神面や現場でのサポートをしていくのがスタンスです」と、あくまでも経験豊富な大先輩で、メディア対応もでき、選手の支えになることができる人物をコーチに置いているのがわかる。
代表選手も他種目と違い、直前に決まるのがゴルフ。代表候補、強化指定選手などは選任するが、特別な合宿などを行うことも難しいため、本戦が始まってからいかにケアができるかがコーチの本分となりそうだ。そうはいっても「トーナメントの練習日にラウンドを見させてもらったり、居心地のいい生活リズムを聞いたり、ちょっとずつそういう関係になります」と服部。本戦まで残り約1年。限られた中で、最大限の努力を惜しまないという世界を知る2人のコーチぶりにも注目が集まりそうだ。
■東京五輪開会式:2020年7月24日(金)
■男子競技
日程:2020年7月30日(木)〜8月2日(日)
会場:霞ヶ関カンツリー倶楽部 東コース(埼玉県)
出場資格:2018年7月1日〜2020年6月22日までの期間で算出した世界ランキングに基づく五輪ランキング上位60人
競技方法:60人による4日間のストロークプレー
■女子競技
日程:2020年8月5日(水)〜8月8日(土)
会場:霞ヶ関カンツリー倶楽部 東コース(埼玉県)
出場資格:2018年7月8日〜2020年6月29日までの期間で算出した世界ランキングに基づく五輪ランキング上位60人
競技方法:60人による4日間のストロークプレー
■出場資格詳細
(1)男子は2020年6月23日時点、女子は2020年6月30日時点の五輪ランキング上位15位までの選手で、各国最大4名まで。
(2)16位以下については、1カ国2名(15位以内の有資格者も含む)を上限とする。
(3)5大陸(アフリカ、アメリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニア)ごとに、一人も出場資格を有するアスリートがいない場合は、男女ともに最低1つの出場枠が保証される。
(4)大会開催国から一人も出場資格を有するアスリートがいない場合は、男女とも1つの出場枠が保証される。
※ただし、上記(3)、(4)の出場枠が適用されても、男女各出場人数の60名は変わらない。
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