<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 3日目◇14日◇チェリーヒルズゴルフクラブ◇6425ヤード・パー72>
最終組で迎えたメジャーのムービングデーも鮮やかに乗り切った。吉本ひかるは6バーディ・1ボギーの「67」とスコアを5つ伸ばし、トータル11アンダーの2位に浮上。首位と2打差から逆転での初優勝を目指す。
吉本ひかるが資生堂の神メイクを施した!
悪い流れに傾きかけたところで、すぐさま持ち直した。出だしの1番で2mにつけながらもバーディパットを決められず暗雲が立ちこめたが、3日間で2番目の難易度を誇る2番パー3で3mを沈めてバーディ先行。さらに次の3番パー5では3打目を1mにつけて連続バーディ。早々にいい流れを引き込み最後まで走り抜けた。上がりの18番では残り123ヤードから2mにつけてバーディ締め。一時は5打差まで離されながらも、首位を走る同級生に手が届く位置で食らいついた。
今季がフル参戦初年度ながら、最終日最終組に入るのはこれで3度目。だが、初めて入った「スタジオアリス女子オープン」では「75」、2度目となった「フジサンケイレディス」では「72」。とくにフジサンケイは、2位以下に2打差をつけた首位からのスタートだったが、「63」を出した申ジエ(韓国)に7打差を逆転された。最終日最終組で伸ばせていないのは大きな課題となっている。
吉本も「伸ばさないと絶対ダメ」と十分に理解している。「これまで攻めきれないところがあった。明日は攻めたい。今までは自分的には守っているつもりはなかったのですが、反射的に守っていたのかもしれない」と分析している。だが、“反射的”だとすると今回も守ってしまうのではないか。その部分について、吉本のコーチである中島敏雅氏が補足する。
「フジサンケイが終わった後に、最終日のプレーについて2人で話しました。今の時代は最終日にも伸ばさないと勝てません。特に今回はビハインドですからね。大事なのは“攻める”よりも“逃げない”ことです」(中島氏)
反射的に守りに入るのは、攻めることに迷いがあるから。迷いがあるから逃げてしまう。ただ、ピンだけを見ていけばいいわけではない。無理だと感じたら守ることも必要。それなら“守る”ことから逃げてはいけない。自分の決断に迷いを持ってしまうのがダメだと中島はいう。
「ダメなときはパーでいいんです。そのためにアプローチ、パターを一緒に磨いてきましたから」。覚悟を決めて攻めていくための準備もしっかりとしてきた。
最終組で対峙するのは、世界ランキング9位の畑岡奈紗と元世界1位のフォン・シャンシャン(中国)。悲願の初優勝に向けて、これ以上の相手はいない。黄金世代10人目の優勝へ。地元関西の大声援を背に、逃げずに堂々と立ち向かう。(文・秋田義和)
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