<日本女子オープンゴルフ選手権 事前情報◇2日◇COCOPA RESORT CLUB 白山ヴィレッジゴルフコース QUEENコース(三重県)◇6479ヤード・パー72>
“成長の証”を、この大舞台で見せる。5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」に続く今季国内メジャー2勝目を狙う渋野日向子が、最終調整を終え、いざ本番に向かっていく。
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成田美寿々、青木瀬令奈、西澤歩未との4人で回った、本番前最後の練習ラウンド。終始笑いながら、楽しく回ったインコースの9ホールのなかでも、しっかりと課題克服を意識しながらプレーを続けた。
最近感じていたショットの曲がりの原因を、「自分の体が向いている方向が、思っていたより右になっている」という部分に求め、ラウンド中は今週会場に駐在する青木翔コーチがスイングを後ろからチェック。その繰り返しのかいもあって、「少しずつ感覚を合わせられるようになりました」と修正の跡を実感できるまでになった。
選手たちが口にするコースの特徴の一つに、『重いグリーン』が挙げられる。ボールを止めやすいコンディションとあって、バーディ量産のためには、やはりショットの精度は欠かせない。渋野も「普通にロングアイアンでも止まっていたので、しっかりキャリーを出してピンを狙いやすい」というところに、スコアメイクの糸口を見出している。とはいえメジャーセッティングとあって、手こずりそうなラフも目につく。フェアウェイからのセカンド、サードショットをピンに絡めていく…ここが、バーディへの“第一関門”になりそうだ。
過去に2度、日本女子オープンへの出場経験を持つ渋野。当時のコースの印象は、「難しすぎて、回ることに必死でした」。アマチュア時代に出場した2016年は18オーバー・108位タイ、まだプロテスト合格前だった17年は9オーバー・110位タイでともに予選落ち。この結果を見ても、どれだけ苦しいラウンドだったかは想像がつく。「ショットがどうとか、結果がどうとかよりも、『この会場で回れていることだけで十分だ』という気持ちでした」。“参加することに意義がある”という感覚だった。
しかし、2年ぶりに踏む大舞台は、当時とは立場も、そしてもちろん技術面でも大きく違うことを自覚している。いまや、過去2連覇の経験を持つ畑岡奈紗、ディフェンディングのユ・ソヨン(韓国)と同じ組に入って予選ラウンドを戦う、大会の顔。さらにプロアマ、練習ラウンドをこなし「(女子OPのコースへの印象も)変わったと思います。技術も当時より上がっている」ということを体感する。目にする光景のすべてが、今までとは異なっている。
「1年前は(予選会で敗退し)出場できていないですし、久しぶりの女子オープンで、こんなに注目組で回れるとは思っていませんでした。それ以前にここまでの結果を出せているなんて考えてもなかった。予想外ではあるけど、そのおかげでいい経験ができると思う。今まで頑張ってきた分を今週にぶつけて、いい成績を出したいです」
当然、今は“コースを回ること”が目的ではない。この日のラウンド後も、コーチとマンツーマンでショットの調整に励んだ。さらに「(ドリルが)終わらなかった」と、1時間30分ほどの時間をパット練習に割いた。「(優勝スコアは)4日間で20アンダーはいきそうですよね」と話した、“伸ばし合い”が予想されるメジャー大会。そこで求めるのは、明確な結果だ。(文・間宮輝憲)
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