<トップ杯東海クラシック 初日◇3日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7295ヤード・パー71>
いきなりスタートの10番パー4でボギーを叩くと、続く11番パー4、13番パー3でもボギーを叩いた石川遼。これで「ANAオープン」(11〜13番)、「パナソニックオープン」(10、12、16番)に続き、出場3試合連続でボギーが3つ先行する初日となった。
あれ、ペアルック?石川遼&池田勇太【大会フォトギャラリー】
「10番ではいいティショット、いいセカンドショットだったのに、風の影響でグリーンを外してしまいました。自分の感覚ではOKバーディについているぐらいだったんですけどね」
これまでの2試合は初日をイーブンパー、1オーバーでフィニッシュしたが、最終的に6位タイ、単独3位で終えているだけに、初日の出遅れさえなければという見方もできる。どちらにせよ、早い段階でイーブンパーまで戻さなければ話にならない。なかなかバーディを奪えない状態で迎えたのが、15番パー5だ。570ヤードと今大会では最長ホールで放ったティショットはきっちりとフェアウェイをとらえる。2オンが難しい場合は得意距離を残したいところだが、グリーン左手前に縦長の池が控えているので、100ヤード以上を残して池の手前に刻むことになる。果たして石川はどのように攻めるのかと思われたが、なんと手にしたのはドライバーだった。
「フェアウェイから100ヤードの距離を打つよりも、ラフから30〜40ヤードの距離を打つ方が簡単かなと。ただ、3番ウッドでグリーン狙う場合、飛距離を出すためにフック系のボールで攻めるため、左の池が気になります。それならたとえミスをしても左には曲がりにくいドライバーを選択したんです」
最高の結果は真っすぐ飛んでいくことだったが、ある意味で計算どおり、ボールは右に曲がってラフに留まった。結果的にこのホールを3オン1パットのバーディでフィニッシュしたことを考えると、冷静な判断が功を奏したと言える。続く16、17番でもバーディを奪い、イーブンに戻した石川。けっして無謀ではなく、ち密な計算での“直ドラ”ショットが悪い流れを変えたと言える。
結果的に18ホールをパープレーで終えたが、この日は台風18号の影響でスタート時から風が強く、ピンフラッグが強くはためく中でのラウンドだった。しかも、例年の風向きと違うだけに、今一つ風を読み切れずに苦戦する選手も多かった。アイアンショットには不満が残るものの、「ドライバーショットが大きく曲がらなかったことは収穫だった」という石川。首位とはまだ4打差しかないうえに、今季は2日目に好スコアをマークする確率が高い。18位タイから一気に上位へと駆け上がる余地は十分ありそうだ。(文・山西英希)
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