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ゴルフ人生好転の秋　大里桃子が“日本一”選手からの助言でショット開眼

＜日本女子オープンゴルフ選手権 初日◇3日◇COCOPA RESORT CLUB 白山ヴィレッジゴルフコース QUEENコース（三重県）◇6479ヤード・パー72＞
昨年のプロテスト合格で即ツアー優勝。今季は初シード選手として戦っている大里桃子が、首位と2打差の6アンダー・5位タイ発進を決めた。開幕2戦目から6戦連続で予選落ち。その後もトップ10は1回と、現在の賞金ランキングは58位。「とりあえずシードを取りたい」という秋の陣に向けて、自信のラウンドとなった。
ドレスを着ると全然違う？
今季ベストの「66」をマークし、「きょうのゴルフは85点です。メジャーにしてはフェアウェイも広いし、スコアが出るコースで、もうちょっと行けたかな」としたが、スコア以上に内容の良さには満足気。特にドライバーが安定しているのが好調の要因とした。
先週からドライバーを気持ちよく振れるようになった。今季苦戦の要因は、主要スタッツの中でもワースト順位のフェアウェイキープ率（74位）とトータルドライビング（78位）。「トップでヘッドが（頭の左サイドに）見えるくらい上げすぎだったので、球が左右に散っていました」と、オーバースイングに悩みを抱えていた。そこでヘルプを求めたのは、「日本一ですもんね（笑）」というアマチュアゴルファーだった。
大里にアドバイスを送ったのは、用具契約を結ぶブリヂストンスポーツの中原創一郎氏。先日の「日経カップ 企業対抗ゴルフ選手権2019」で団体、個人戦ともに制した実力もさることながら、ツアー担当者として選手の要望に対するクラブの提供や、選手のクセを把握した上でクラブをすすめるという役目だが、今回はちょっとしたスイングのアドバイスが大里浮上のキッカケとなった。
「ワンポイントアドバイスをもらいました。やったのは、時計でいったら3時から9時までの幅でスイングをして打つこと。それで打ってみましたが、そのときの動画を見たらトップがちょうどいい高さで、結果的にフルスイングになっていました（笑）」と、安定したスイング軌道が、結果として曲がらない、フェアウェイからセカンドを打つ、バーディチャンスにつくという、スコアを出すためには当たり前の流れを生み出した。
7バーディに3パットボギーが一つ。ビッグスコアを生み出すための準備は前週に行った。「先週の試合の練習日には、練習場でドライバーしか打たないときもありました」と、徹底的に仮想ハーフスイングを繰り返し、公式戦初日はフェアウェイヒットが14回中13回。パーオンは17ホールで、残りひとホールもカラーという抜群の安定感を生み出した。
新しい感覚を体にしみこませ、臨んだ大一番で好発進。「すごい悔しい思いばかりしていたし、ストレスもありましたが、ゴルフのストレスはゴルフで発散するしかない」と、打ち込みで不安を払拭。シード権獲得の目標から、「TOTOに出たい」と、来月行われる日米共催試合の「TOTOジャパンクラシック」出場のため、大幅に賞金を上乗せしたいところだ。
最近では、『渋野日向子の友人の大里桃子』と紹介されることが増えたという大里。「私は私で、大里桃子です！」と、気分はよくない。そんな状態を吹き飛ばすにも、うってつけの好順位。最後まで上位で突っ走り、改めて“大里桃子”の名をとどろかせる。（文・高桑均）

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