<樋口久子 三菱電機レディス 最終日◇3日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6585ヤード・パー72>
プロ5年目の篠原まりあが、トータル5アンダー・10位タイで大会を終え、賞金150万4000円を獲得した。この結果、今季通算を2535万8285円まで伸ばし、来季の賞金シード獲得ラインとみられる2500万円を突破。初のシード選手として新シーズンを戦う。
たまにはこんなガッツポーズも 優勝の喜びをかみしめる鈴木愛【写真】
大会最終日は、傾斜に切られたピンに苦戦し「72」のパープレー。「悔しいラウンド」と内容には納得しなかったものの、「耐えた結果、シードにつながったのはうれしい。今はホッとしてます」と目標達成には笑顔を見せた。
「ニトリレディス」までに14試合の予選落ちを喫するなど、決して楽ではないシーズンを送ってきたが、9月の「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」で大きな収穫を得た。「悩みすぎて……1周回って悩みじゃなくなってた(笑)」と話すパットの調子がここで上向きに。最終的に4位タイに入り得た860万円の賞金ももちろん大きいが、その後につながる確かな感触をつかんだ。
その後も短縮競技となった「スタンレーレディス」2位タイなど順調に加算し、ようやく今週ボーダーラインに到達。「5年かかったのは悔しいけど、やっとやってきたことがうまくいき出しました。来年も楽しみ」。同級生や後輩らに先を越されてきたこれまでを振り返り、改めてよろこびを噛みしめた。
11月17日には23歳の誕生日を迎える。例年「伊藤園レディス」の週に迎える誕生日だが、これまでは「毎年QTを意識して練習ラウンドをしてたので、『嫌な時に生まれたな』と思ってました(笑)」と落ち着かない一日を送ってきた。だが今年は「プロになって一番気楽だし、うれしい誕生日になりそうです」と、しっかりと祝福ムードを味わえそうだ。
さらに飛躍した今季は、こんなうれしいことも。試合会場に「(大分の)実家に戻った時に『でかっ』って思った」(篠原)というほど大きなキャンピングカーで応援に来る祖父母に、いい姿を見せることができている。その回数が、調子が上がり始めた夏場頃から増えたそうで、「成績が出始めて楽しみになってくれたんだと思います。私も見に来てもらってうれしいです」と、“祖父母孝行”ができている。
「残り試合は思い切ってプレーできます。次は初優勝を目指して足りない部分を補っていきたいです」。篠原にとって、大きな一歩を踏み出すための3日間となった。(文・間宮輝憲)
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