<マイナビABCャンピオンシップ最終日◇3日◇ABCゴルフ倶楽部(7200ヤード・パー72)>
2打差のリードで迎えた15番パー5、今平周吾はドライバーショットを左に曲げてしまう。そこから8番アイアンでフェアウェイに刻むつもりだったが、予想以上にラフの芝がクラブヘッドに絡み、ボールは左の林へ。規定の3分間ボールを探したが見つからず、ロストボールとする。なんとかボギーでこらえたものの、2位の黄重坤に並ばれただけに、手痛いミスではあった。
林でボールを探す今平【大会フォト】
「悔しいと思いますが、仕方がないと思います」
結果を見れば、黄に1打差で敗れただけに悔やんでも悔やみきれないミスではある。実は、今週から今平はスイングを変えていた。これまで左足体重でボールを打っていたのを、バックスイングでは右足に体重を乗せるようにしたのだ。今までよりもスムーズにクラブを振り切りたいからだが、左足体重でボールを打っていたときはまず左へのミスが出なかった。しかし、将来を見据えての改造だけに、悔いはないといい切る。
単独2位に終わったとはいえ、賞金ランキングではチャン・キムを抜いて再びトップに躍り出た。しかも、3年連続で獲得賞金が1億円を超えたのだ。しかし、そこに対する喜びはない。
「今週からパターを35インチでヘッドが重いタイプに替えましたが、予想以上にフィーリングがよかったのは収穫です。あと、振り過ぎてもクラブフェースが返りすぎないようにと思い、ドライバーのシャフトもSからXに変えたんです。それもいい感じでしたね」
この時期にシャフトの硬さを変える選手は少ないが、長い目で自分のゴルフを見ているからだろう。ドライバーとパターに不安がなくなり、今までよりもワンランクアップしたと思えたことが一番の収穫だったといえる。ちなみに、アイアンのシャフトもSからXに変えたものを近々試す予定だ。「日本オープン」(12位タイ)、「ZOZO Championship」(59位タイ)の2試合では納得のいく結果を残せなかった今平。しかし、向上心だけは失わなかったことが、今回の優勝争いにつながっていることは確かだ。(文・山西英希)
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