2016年「〜全英への道〜ミズノオープン」以来のツアー14勝目を飾ったキム・キョンテ(韓国)。アマチュア時代から、その強さゆえに“鬼”とまで呼ばれた男が、今年は苦難の時を送っていた。
シブコと愛がガッチリ握手【写真】
昨年の秋に背中を疲労骨折し、練習も満足に行えない日々が続いた。ようやく痛みが治まったと思ったら、今度は「パターのバックスイングが上がらなくなった」。ツアートップクラスのパター巧者が原因不明の不調。狂いだした歯車はかみ合わず、「パターがよくなったら、ショットが悪くなって、全体的によかったら今度はメンタルが全然だめで、全部うまくいかない」。生まれて初めてメンタルコーチをつけるなどして、ようやく上向きになってきた矢先の優勝だった。
「ショットや飛距離が(若手に)負けていますよね」と、まだ33歳のキョンテも20代の勢いを感じていた。「パターとか、そういうのでうまくならないと」。もともとパター巧者で名をはせたキョンテだが、今回の復活優勝を支えたのは長年愛用するパター。10年以上手にしているのはオデッセイ『ホワイトホット ツアーix #5CS』だ。
「同じパターを8本持っている(笑)。同じパターなんですけど、今年ようやく新しいものに変えたんです」と、同モデルでも手になじむ1本を長年愛用し続けていた。今季はパターを始め不調が続き、一時は長尺パターなど複数のモデルを試合で使ったこともあった
しかし、「どうしてもバックスイングが上がるパターを探していて、でも、結局戻っちゃうんですよね」と同モデルを使い続けている。
今季はパターを始め、スタッツが全体敵に低迷していたが、本大会での平均パット数は1.6604回の単独2位。パーキープ率も98.61%のダントツ1位で、4日間ではボギーがたった一つのみと抜群の安定感だった。
低迷が続いた時期は何度もゴルフをやめることを考えたが、「やるしかないですよね。家に帰ってスコアとかも見ちゃうので、なんでここにいるのってなるし…。だから、やるしかないなと思った」。強い鬼が舞い戻った。
【キム・キョンテの優勝セッティング(WITB=What’s in the Bag)】
1W:タイトリスト TS3
(9.5度 グラファイトTP-6X 45インチ)
3W:タイトリスト TS3 15度
2UT:タイトリスト H1 816 19度
3I:タイトリストU500
4、5I:タイトリスト 620CBフォージド
6〜9I:タイトリスト 620MBフォージド
W:タイトリスト SM7(48、52度)
タイトリスト ボーケイプロト(60度)
PT:オデッセイ ホワイトホット TOUR ix #5センターシャフト
BALL:タイトリストPRO V1
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