<LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 最終日◇1日◇宮崎CC(宮崎県)◇6535ヤード・パー72>
最終日に意地を見せ、5位タイで今季最終戦を終えた鈴木愛。大会2位タイに入った渋野日向子の追撃をかわし、2017年以来、2度目の賞金女王に輝いた。先にホールアウトし、あとは渋野の結果次第という状況のなか戦況を見守った。最終組まで終了し女王戴冠が決まると、うれしさよりも安堵の表情を浮かべ、照れくさそうに両手をあげた。
鈴木愛と渋野日向子が健闘たたえガッチリ握手【写真】
8月までに4勝を挙げるも、ケガの影響で9月中旬から1カ月間戦線を離脱した。しかし復帰後の初戦こそ予選落ちしたが、そこから怒濤の3連勝。一気に賞金レースの頂点を射止めると、最後まで逃げ切った。「ホッとしている」と話した鈴木。記者会見での一問一答をお送りする。
――最後はボギー。待っている間の気持ちは?
やることはやったので、あまり悔いもなかった。最後もいいパットをして入らなかったので、ボギーにはなりましたけど、あとは結果がどうなっても仕方がないという感じ。意外とリラックスして待っていました
――終日ピンを攻めることはできたか?
とにかくスコアを伸ばすしかなかったので、攻めていかないといけなかった。広いほうに打って、上り、切れないラインに残そうとしても、次が入るかどうかは、このグリーンでは保証がない。パットが入らないんだから、ピンを攻めていくしかない。ちょっとこぼれてもいいので、攻めて数を打っていればいつかバーディが入ると思った。安全にいっても仕方ないので、なるべくバーディチャンスにつけたいなと思っていました
――途中、渋野選手のスコアは?
全然見ていませんでした。チラッと見えたのが17番くらい。でもトップのスコアしか見ていなくて、とにかく自分が7アンダーで回れたらもしかしたら優勝かもというのがあったので、それだけをイメージして回れた。周りのスコアは関係ない。自分のスコアだけと考えていた。
自信がなかったので、ほかの選手が勝ってくれたらと思っていたけど、今まで頑張ってきたし『最終日は絶対にうまくいく』と思っていた。最後まで諦めないで前日も遅くまで練習していました。絶対に自分の流れが来ると思っていたし、私もチャンスがあると思っていたので、自分のスコアだけに集中して回れました
――報われましたか?
1年間と言われると、『ん〜』と思うところもあるけど、練習は頑張ってきた。今まで練習を重ねてきたことが、1カ月休んでもすぐに発揮できたので、やっぱり練習してきて良かったなと思う部分がある。
ゴルフに対する気持ちは1カ月休んでかなり変わった。いままでは練習しても変わらないと思う部分が多かったけど、ゴルフができていることだけでも自分の気持ちはすごく成長したなと思えましたし、ゴルフだけが人生じゃないと思えた。ゴルフのことを考えていても全てがうまく行くわけじゃないので、イヤなときは休む勇気も必要だと思いました
――賞金女王に2度なる人は限られる
日本の選手ではなかなかいないのかなと思う。賞金女王に初めてなって、その2年後にまた獲れるというのは本当に光栄ですし、いままで練習を頑張ってきたことが最後に出たなって思います。
ファンの人もそうですけど、サポートしてくれる人に感謝したいと思います。とにかく最後は運も必要だなと思うけど、頑張ってきたぶん、神様が助けてくれたと思います。
今週はなかなか思うようにいかなくて、キャディさんに当たってしまった部分もあった。ラウンド中もケンカではないけど、いいパットしても入らないことがあったので、『ラインが違うんじゃない!』とか言うところもあった。
賞金女王が懸かっていなかったら、こんなにイライラすることもないですし、申ジエさん、渋野さんのスコアがあまり良くなかったら、もう少し気楽にできたと思う。2人の追い上げが怖くて、自分に対して自信がない、不安な部分も多かったので、キャディさんだけじゃなく、周りに当たる部分も多かった。
サポートしてくれる人に感謝したいなって思いましたし、キャディさんに当たったぶん、絶対に賞金女王になって恩返ししたいと思っていた。きょうは絶対にビッグスコアを出して『ありがとう』って言いたいと思ってました
――7勝して賞金女王になれなかったらという気持ちは?
それは思っていました。『そんな人いないよな』って(笑)。『7勝して負ける人っている!?』って思っていたので、意地でもそれは…、と思っていました
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