多くのドラマが生まれた2019年シーズンに活躍した選手たちに、一番“印象”に残っている1打を挙げてもらった。良かったものを挙げる選手、悪かったものを挙げる選手。性格やその年の活躍が如実に出るこの企画。今回は、ツアー初優勝を挙げた淺井咲希。
淺井咲希 誰かに似ていると思ったら…【写真】
2年連続で黄金世代が勝利を挙げた8月の「CAT Ladies」。今年は淺井咲希が緊張のなか初優勝を手にした。
昨年のファイナルQTで2位に入り、今季前半戦の出場権を獲得。しかし開幕2連戦で予選落ちとなり、その後も上位進出はなかなか果たせなかった。初めてのトップ10は6月上旬の「リゾートトラストレディス」。ここで7位タイに入り、第1回リランキングをクリア。後半戦に突入した。
その後は順調に予選通過を続け、そして迎えたのがCATだった。初日を5アンダー・首位にまとめると、2日目も4アンダーで首位を堅守。そして迎えた最終日、し烈な優勝争いを繰り広げ、2位に2打差で最終ホールを迎えた。パー5の3打目を1メートル以内につけて、勝負ありかと思ったが、これを外し、1.5メートルのパーパットが残った。
なんとかこれを沈めての初優勝だったが、淺井の印象に残る一打はここではなく、実はその2週後に惜敗を味わった「ゴルフ5レディス」の最終日だった。
こちらも初日を首位発進とし、2日目を終えて3位。早くも2勝目かと思われた。最終ホールを迎え首位とは1打差。ここで入ればプレーオフという2メートルのバーディパットが残った。「いちばん新鮮に感覚が残っているのがその3打目です。申ジエさんが3打目を入れそうになって、自分ではそこまでの実力はないけど、無理矢理でも右のピンに持って行ったんです」。
「結局入らなかったですけど(笑)」と、そのバーディパットは1センチショートしてプレーオフへの切符を逃した。「あの週は右ピンのとき、左に安全に乗せていたのに、ここでは気持ちでピンに向かわせることができました。スイングの途中で『これはダメだ!』と思って、なんか無理矢理合わせたというか。でも自信にはなりました」。強い気持ちで打ったサードショットが、今年の淺井のベストショットだった。
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