イ・ボミ(韓国)の幸せな表情が今年の出来をすべて物語っていた。
今宵はクリスマスイブ ボミのサンタ姿をどうぞ【写真】
まもなく韓国の俳優イワンさんとの結婚を控えて、式の準備にも忙しいようで、その話を振るとすぐに照れ笑いを浮かべる。
「今から新婚旅行がとても楽しみなのですが、今年のオフはゴルフのトレーニングは何をしたらいいのかなって、そんな考えばかりしています。完全に職業病ですね(笑)」
プライベートの時間にまでゴルフのことで頭がいっぱいになるとは、昨年、賞金ランキング83位でシードを落として絶不調だったボミからは到底考えられないことだ。
「これは今年から成績がよくなってきたからなんだと思います。本来なら何も考えたくないです(笑)。ただ、今は本当にゴルフの状態がよくなっているので、オフの合宿でこんな練習をしたらいいとか、これをやればよくなるんじゃないかとか…。もちろん新婚旅行も楽しみなのですが、ゴルフのことも考えてしまいますね」
それだけ今年の結果に満足しているし、余裕もあるのだろう。
今季はトップ10が7回で賞金ランキング21位。2年ぶりの賞金シード復帰を決めた。
特にホステス大会の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」では単独2位、最終戦の「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」では最終日をトップで迎えたが5位タイ。優勝争いできる状態にまで調子を取り戻している。
今年を振り返ってもらうと、「前半戦は成績が出なくて、どうなるか心配でしたが、少しずつ成績が良くなり、最後はリコーカップにも出られました。優勝はできなかったですが、今年の結果には満足しています」と笑顔を見せる。
「優勝できなかったことは少し悔しいですが、まだレベルアップしないと勝つのは難しい。ただ、今まではスイングのことしか考えられず、スコアをまとめるために必要な練習ができなかったので、これからはそういったところもしっかり練習していかないといけないと思っています」
やはり結果が出ることで自信がつき、メンタル面がとてもいい状態にある。
「調子を取り戻したことで、欲もできましたし、来年はもう少し高い目標を持てればいいなと思っています」
高い目標とはもちろん優勝だ。ただ、あまり自分にプレッシャーはかけたくないという。
「一年をしっかり戦い抜ければいいなと思っています。優勝という高い目標がモチベーションになればいいですが、長いツアー生活を今の状態で続けていると、やっぱり体力的にも精神的にも疲れてくる状態になるので、そこは自分にプレッシャーはかけないようにしたいです。まずは楽しくやっていきたいという気持ちが強いです」
そんな中での課題はパーオン率とパーセーブ率を上げることだ。2年連続賞金女王を獲った時は“女子ツアー屈指のショットメーカー”といわれていたが、今はその武器はないに等しい。今年のパーオン率は68位でパーセーブ率も57位と低い。「そこを上げていかないと、優勝するのは難しいと思っています」とショットの精度の向上はこれからも課題だ。
そんな中、ボミはツアー第一線から退いた佐伯三貴、諸見里しのぶ、一ノ瀬優希、大江香織らの姿と自分を重ね合わせていた。「まだできる選手なのに驚きました」と語りつつ、ともに戦ってきた選手が少しずついなくなることに、寂しさを感じていた。
「同じフィールドでプレーしてきた選手なので、その決断をした選手たちの気持ちがよくわかりますし、共感できる部分が多いです。私も去年は結果が出なかったので、なおさらです。ただプロゴルファーとしての人生は長いので、またプレーしたければ、どこかでまたできるはずです。ゆっくり休んで、選択した道を尊重したいです」
ボミにもいつか同じように、“決断”する日が来るかもしれない。ただそれは悔いなく、納得するまで結果が残せた時だろう。
「まだまだ日本ツアーでやっていく気持ちです。(夫となるイワンさんから)これからも楽しみながらツアー生活を続ければいい、やめたいときはいつやめてもいいといってくれていますから」
新たな生活環境の中でリズムをつかみ、優勝を手に入れるのも努力次第だ。来年は結婚してから初めてのツアー参戦となるが、新たな伴侶とともに優勝カップを掲げる姿をきっと想像しているだろう。それができれば2020年はボミにとって最高の年となるに違いない。
文 キム・ミョンウ
<ゴルフ情報ALBA.Net>