メジャー大会でツアー初優勝という偉業を果たしてからは低迷した時期もありながら、6月末の「アース・モンダミンカップ」で4位に入り、賞金ランキング上位の資格で「全英AIG女子オープン」行きを決めた渋野日向子。初の海外試合に向けて、まずは国内でさらなる結果を残したいところだった。そして、その矢先に、またしても驚きの瞬間を迎えることになる。
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7月の初戦は神奈川県での新規大会「資生堂 アネッサ レディス」。初日を「71」でまとめ21位タイと上々の滑り出しを見せた渋野は、2日目にボギーなしの「68」をマーク。10位タイに順位を上げ、週末に突入した。3日目はさらに6つスコアを伸ばし、首位のイ・ミニョン(韓国)に2打差の2位で最終日に入った。
しかし冷たい雨と強風に襲われた最終日は、前半からスコアが伸びない展開となった。4番でバーディが先行した渋野だったが、続く5番でボギー。前半はなんとかイーブンパーとしたが、ミニョンもオールパーでスコアをキープし、2打差のまま後半へ。ところが10番でボギー。12番でもボギーを喫しミニョンとの差は4打に広がった。13番はともにバーディを奪い、15番に入った時点で4打のまま。安定感抜群のミニョンが、圧倒的優勢と思われたが…。
よりいっそう雨も風も強まるなか、15番は長いパー4。ここでミニョンはまさかのダブルボギーを叩き後退。そして渋野は、奥から20メートルはあろうかというスネークラインを見事に沈め、一気に1打差に詰め寄った。まさに潮目が変わった瞬間。17番でもバーディを奪った渋野はついにミニョンを捉え、プレーオフへ。1ホール目でパーをセーブした渋野がミニョンを振り切り、奇跡の逆転優勝を飾った。
「2勝目がこんなに早く来るとは。今年中にはと思っていたけど、めっちゃ早い(笑)」
初優勝から順調に歩みを進めたように見えたが、6月には苦悩の期間を過ごしていた。師事する青木翔コーチから雷が落ちたのもこの頃。「できないことをやろうとして、ミスして自分に怒ったり、物にあたったり」と青木コーチが振り返るこの時間を乗り越えたからこそ、渋野はさらに強さを増すことができた。ルーキーイヤーでのツアー2勝目は、見ている者が皆、“何かをしてくれる選手”ということを感じ取った勝利だった。
続く北海道の「ニッポンハムレディスクラシック」でも7位に入るなど、安定してスコアを出せるまでに成長した渋野。翌週の「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース」こそ伸ばし合いに遅れをとり35位タイに終わったが、いい流れを持続したまま25日、「人生が変わった1週間」と振り返る全英出場のため飛び立った。当初は、「予選通過できればというくらい」だった初の海外試合が、ゴルフ界を揺るがす1戦となる。
【7月の成績】
■資生堂 アネッサ レディス
優勝
■ニッポンハムレディスクラシック
7位
■サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース
35位タイ
<ゴルフ情報ALBA.Net>