最新ゴルフニュース

新垣比菜が先輩・諸見里しのぶに一番聞きたかった質問　それは…【ちゅらかーぎー対談】

いよいよ3月5日から始まる「ダイキンオーキッドレディス」で開幕する2020年の国内女子ツアー。新たなシーズンインを前に開幕戦を主催するダイキン工業所属で、舞台となる沖縄県出身の諸見里しのぶと新垣比菜の対談が実現。諸見里が「なかなかお話しできる機会もなかった」という2人からどんな話が飛び出すのか。今回は新垣比菜が先輩・諸見里しのぶに聞きたかった質問とは。
■新垣比菜が聞きたかった質問　それは…
新垣比菜：プロゴルファーとして何年もやられている諸見里さんに質問なのですが、私が2シーズンプレーして感じるのが、体力的にではなく、気持ち的に一年もたないんです。シーズンが後半になるにつれて、『なんか疲れたなぁ』、『沖縄に帰りたいなぁ』とネガティブになってしまうんです。諸見里さんはどうやってシーズンを戦ってきたんですか？
諸見里しのぶ：私も最初の時はすごく難しかった。ジュニアのころは春の全国大会があって、夏の大会があって、女子アマがあってと自分の目標とする試合がある程度決まっているじゃない？そこに合わせて調整をするというのがあったと思うんだけど、プロになったら毎試合毎試合同じメンバーで同じ場所に移動する。スケジュールも火曜日くらいに会場に入って、練習をラウンドして、プロアマをやって試合。そういうのがだんだん“こなしていく”という感じになっちゃうよね。だから私もモチベーションの持っていき方に1年目、2年目って難しくて迷っていた。
でも、休みとした1週間をいかに自分の好きなことをやって、「もう1回頑張るぞ！」っていう気持ちにすることで乗り越えたよ。リフレッシュをするかしないかいうのが、1年戦う上ですごく大事なのかなとは思った。やっぱり気持ち的にきつくなるよねー。
新垣：そうなんです、『また試合かぁ』となってしまうときがあるんです。
諸見里：特に今は試合数も増えているし、4日間競技も増えている。私の時よりもはるかに大変だと思うし、また注目される度合いもすごく増えている。ゴルフ場に行けばありがたいことにファンの方から見てもらえるので、人のエネルギーをすごくもらうんですよね。なので、休みの日は逆に人ごみに行くのがちょっと億劫で、一切家から出なかったり、レンタルDVDとかを借りて引きこもったりしていました。あとはもう気分転換で美容院行くとか、ネイルをするとかやってた。うまくリフレッシュできる何かがあればいいんだけど…。
新垣：1週間休みの時とかあるじゃないですか。そういう時は練習とかしましたか？
諸見里：そんなにガッツリというわけではなく、午前中だけ練習するとかにしていたよ。『9時から12時、13時まで集中してやって帰る！』みたいな感じかな。練習場に朝から行ってダラダラしたり、お休みだからといって1日練習場にいたら結局疲れちゃっているまま。あんまり休めた感じが残らないで、次の試合に入ってしまっていたので。「今日はここだけはしておく」、「トレーニングだけはやっておく」とかメリハリをつけてやっていた方がいいと思う。
新垣：ありがとうございます。私は今年3年目ですが、1年目も2年目も後半にいくにつれて試合に対しては100％の気持ちで臨めない、みたいなのが多くなってしまっていました。
諸見里：それはツアープロとしてみんなが、誰もが経験する難しさかなって思うよ。自分の趣味とか見つけてもらえたらまた変わってくるかも。
新垣：趣味はありました？
諸見里：まったくないです（笑）
新垣：あれ？見つけてもらえたらって（笑）
諸見里：強いて言うなら“ひきこもる”（笑）。あとは料理かな。料理はすごく下手だから（笑）、1個の料理を作って18時にご飯を食べるとしたら14時くらいから始めなきゃいけないわけ。もう手際も悪いし、買い物とか準備するのに時間もかかるし。でもそれが、なんか没頭できるんだよね。初めてのことだらけだから、みじん切りひとつにしても、もう一生懸命。ゴルフのことを考える間もない。もう、そこに集中しちゃっているから。
だから苦手なことを上手くなるためにやるとかはありだと思う。一番みじん切り楽しかった（笑）。何も考えなくていいっていう。包丁でずーっと10分くらい切っていて。手は痛くなるから気を付けた方がいいんだけど（笑）。なんかチャレンジをするのはすごくいいかな。あと私は何事も続かなくて…。とりあえず自分が興味持ったものを手出してみるというのはしていたかな。
新垣：例えば何をやったんですか？
諸見里：ピラティスとかヨガとか…。あとは何やっていたかなー。私もそういうちょっと落ち込んだ時があったから、そのときは「やりたい！」って思ったことをすぐ行くようにしたよ。
新垣：思いついたらですか。
諸見里：もうホントにそのときに思いついたこと。「映画見たい！」って思ったら、もう思った瞬間に行く。ちょっと時間が経つと、「なんかやっぱり家を出るの面倒くさい」とモジモジってなっちゃうから。何かを食べたいって浮かんだら次の瞬間にはもう食べに行くみたいに、思ったことをすぐ行動する、すごく面倒くさがりだからさ。比菜ちゃんは一週間休みにしたときはなにしているの？
新垣：何していたっけ…。トレーニングをやっていますね。意外と去年は友達と会ったりしていなかったのですが、でもなんか時間がめっちゃ進んでる…という感じでした。いとことかみんな集まってご飯食べてワイワイします。それが結構楽しいかもしれないです。
諸見里：やっぱりみんなと一緒にいる方がいいんだね。
新垣：そうですね。一人ではあまりいないですね。家でダラダラしている時くらいですかね。
諸見里：一言目にトレーニングって言葉がでるということは、休みの日にもすごく練習したりしているの？
新垣：どうなんだろう…。私は「練習行かなきゃ」とか「トレーニングしなきゃ」とかなるんですけど、一方で「面倒くさいなー」という気持ちにもなって…。
諸見里：素直だね、本当にね（笑）かわいい
新垣：時間だけが過ぎちゃって、結局今日は何もしなかった、みたいな感じになることが多いです。
諸見里：私は今そんな状態！「ヤバい、明日ゴルフ！練習しなきゃ！」と思うんだけど、「なんか雨降って来たなー・どうしようかなー？車の運転危ないしなぁ」とか思い始めて、気づいたら「夕ご飯食べなきゃ」みたいな。そんな感じわかる！でもちょっと早いよね。まだ22歳だよね？（笑）
新垣：はい。どうせダラダラするなら「今日はダラダラする！」という気持ちで過ごしておけばよかったなといつも反省します。
諸見里：そうそう！わかる！
新垣：さっきの話を聞いて、思ったことをすぐやるというのはいいなと思いました。そのあとにしっかりとくつろぐ。実践しようと思います！
諸見里しのぶ（もろみざと・しのぶ）/1986年7月16日生まれ、沖縄県名護市出身、ダイキン工業所属。通算9勝。2005年のプロテストに合格すると、その年3試合の出場で翌年シードを獲得。翌06年に「SANKYOレディース」で初優勝を挙げた。09年には「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」、「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」の公式戦2勝を含む6勝を挙げて賞金ランキング2位に入った。19年惜しまれつつツアー撤退を発表、20年からは日本女子プロゴルフ協会のコースセッティングを担当するなどゴルフ人生で新たなチャレンジをしている。
新垣比菜（あらかき・ひな）/1998年12月20日生まれ、沖縄県具志川市出身、ダイキン工業所属。通算1勝。2015年のステップ・アップ・ツアー「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」で優勝するなど同い年の勝みなみらとともにアマチュア時代から活躍。17年にプロテストに合格すると、翌18年に「サイバーエージェントレディス」でプロ初優勝を挙げた。19年は優勝こそなかったものの、賞金ランキング27位。今季さらなる活躍が期待される一人である。
<ゴルフ情報ALBA.Net>