2020年の活躍が期待される“若手のホープ”のスイングを、自身も昨年までレギュラーツアーで戦っており、「ほかの選手のスイングを研究することが好き」と語る大江香織が解説。今回は2018年のプロテストに合格した菅沼菜々。
躍動感あふれる菅沼菜々のドライバースイング【連続写真】
19年はシーズンはフル参戦を果たした菅沼。30試合を戦いトップ10は2回。獲得賞金は1950万円を超えたが、賞金ランキングは62で惜しくもシードを逃した。今季はQTランキング65位の資格でレギュラーツアーとステップ・アップ・ツアーの両方を戦う予定。飛躍が期待される。
昨年のスタッツを見てみると、上位に食い込むのはドライビングディスタンス。244.35ヤードで全体16位。並み居る飛ばし屋のなかでも、高い数字を残した。その飛距離を生み出すポイントは、効率のいいジャンピングにあると大江はいう。
インパクト直後の写真を見てもらえばわかるが、両足のカカトが浮いており、ジャンプしているように見える。「これはまさしくジャンピングです。ジャンプが悪いわけではありません。ジャンプをすることによって、体の回転はしにくくなりますが、フェースのローテショーンをうまく使って飛距離を出すようにしています」。
このジャンピングを可能にしているのは、クラブを上げる際の体の動きから始まっている。「体重移動はあまりせずに、体を回転しながらクラブを上げます。体重移動が多い人だとトップの位置が低くなりがちですが、菅沼さんはトップの位置が高い。そこからはクラブが上から落下してきて、インパクトで飛び跳ねるように体を動かす。ボールに力が伝わっています」。
インパクト直後の左足がピンと伸びているのは、「レクシー・トンプソン選手にも似ていますね。意識的にこういう動きを取り入れて飛ばす人もいますので、それが飛距離につながっていると思います」。世界的な飛ばし屋に似た動きから繰り出されるビッグドライブを武器に、初優勝をつかみたい。
大江香織(おおえ・かおり)/1990年4月5日生まれ、山形県出身。通算3勝。153cmと小柄ながら体全体を大きく使ったスイングで8年連続シードを保持するなど、息の長い選手として活躍。2019年にツアー撤退を表明、「ツアーを撤退するプロに“大江が生きているから撤退しても大丈夫”と思ってもらえるように、色々活動できたら」と2020年からは新たなかたちでゴルフに携わっている。
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