ザ・プレーヤーズ選手権の舞台は、著名なコース設計家であるピート・ダイが作り上げたコース。現在世界ランク3位に立つブルックス・ケプカが、このTPCソーグラス攻略に意欲を燃やしている。ただし、難攻不落で名高い1ホールを除いて。
ブルックス・ケプカのドライバーショット【連続写真】
本大会の勝敗を大きく左右するのが、17番のアイランドグリーンだ。グリーンで選手を待っているのは、何千ものファンの大歓声。ケプカもその声援を浴びる日を待ちわびている。
「ここは不得意なホールだ」とケプカは言う。「ここ何年も、あのホールでは最悪なプレーしかしていない。今までの中でも最悪ともいえる1ホールだから、どうにか攻略しなくては」。
4度メジャーを制したケプカの言葉は、決して大げさではない。2014年以降、ケプカはこのアイランドグリーンで合わせて15オーバーを叩いている。苦労したトップ選手は他にもいる。ザック・ブレアは9オーバー、ポール・ケーシー、ケビン・ストリールマンは8オーバー、トニー・フィナウら4人の選手が7オーバーを叩いているが、ケプカの数字は群を抜いている。
「あのホールだけなんだ」とケプカは語る。「ティに立つととても怖くなる。3、4回も池に入れているし、楽しくない。あとの17ホールは楽しめるが、あそこだけは本当にだめだ」。
約135ヤードの17番。この難関ホールの設計について、貴重な話がある。ピートはこのホールに砂が多いことを気にかけていたが、彼にアドバイスをしたのが妻のアリスだった。そのアドバイスが、アイランドグリーンを作ることだったという。
17番ホールでは、大会の歴史の中でも数々のドラマを生み出してきた。2001年にタイガー・ウッズが「これ以上ない」というほどの60フィートのパットから、15年にリッキー・ファウラーを優勝に導いたプレーオフでの3つのバーディに至るまで、長年にわたって記憶に残る名シーンが生まれた。今年もきっとドラマが繰り広げられるだろう。
「みんなが話している、あのホールがあるだろう」と語り始めたのは、ルイ・ウーストハウゼン。「プレーヤーズといえば、まず17番のことを考える。これまであのホールで色々なことが起こってきたから。71ホール目が本当にタフだ」。
17番がケプカのように“悪夢”となり得る一方で、チャンスとなる選手もいる。フロリダ大学の元スター選手、地元人気を誇るビリー・ホーシェルがそうだ。
「選手によっては、気が狂うようなホールだろう。だが、16番から最終ホールに向かっていくのはとても刺激的だ」とホーシェルは語る。「ファンは私だけでなく、どの選手へも声援を贈ってくれる。みんなが注目するホールだ。実際、16番のセカンドとサードショット地点や、17番ホールには、3、4万人のファンがいるんじゃないかな。まるで小さなフットボールスタジアムにいるような感覚になる」。
17番は、150ヤード以下の米ツアーにおけるパー3の中では、過去17年で最も平均スコアが高いホールとなっている。03年以降、公式ラウンドで放たれたティショットの10.8%が池に入っているのだ。
「16番をプレーしながら、17番のショットを打つ選手を見ることがある」と、ジム・フューリックは言う。「グリーンでの着弾の様子はどうか。グリーンは比較的大きいし、そう難しいショットではない。しかし、この大会ではプレッシャーもかかるし、グリーンも硬くなる。そうなればグリーンは小さく感じるし、奥の6〜8ヤードは打ち込んではいけない場所。外していい場所がさらに狭くなり、よりタフなティショットになるんだ」。
ケプカに最終18番パー4についての解説を頼むと、また17番の話に戻ってしまった。どれだけこのホールを警戒しているかがわかる。「18番は、毎日パーが獲れれば御の字だ。なぜって、それは17番をなんとか切り抜けたということ。18ホールを回りきるのに、十分なボールがバッグに残っていたということだからね」。
【メイン写真】フロリダ州ポンテヴェドラビーチ、5月13日:2017年ザ・プレーヤーズ選手権の第3ラウンド ブルックス・ケプカの17番でのティショット
【サブ写真】フロリダ州ポンテヴェドラビーチ、3月16日:2019年ザ・プレーヤーズ選手権の第3ラウンド リッキー・ファウラーを見守る17番グリーンの観客たち
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