PGAツアーのコミッショナー、ジェイ・モナハン氏がメディアの取材に応じ、競技が進行中だった「ザ・プレーヤーズ選手権」の中止を発表した経緯や、4月第1週までの大会中止についてあらためて説明した。
米東部時間の12日(木)正午、つまり大会初日のプレーが行われているまさにそのとき、2日目以降の無観客試合を発表。ところが、最初の発表から10時間後には一転、2日目から中止という異例の発表。これには選手や関係者たちも不安の声を上げた。
なぜ急転したのか。事態が流動的で、困難な決断であったこともあるが、最も大きな理由が、「ホールアウトした選手、特に海外選手から今後についての不安を聞かされた」こと。また、大会開催地近郊のテーマパークが2カ所もクローズになっていることが、ツアー側の再考を促したという。
「いろいろな情報に影響を受けてしまう。だが、どんな情報に基づいて、どんな決断を下したかが大事。我々は正しい時期に正しい判断をした」とモナハン氏。「延期も考えたが、キャンセルするのが最善と考えた」と、下した決断は正しかったと自信を示した。
モナハン氏が繰り返し発した言葉は、「この大会は我々のスーパーボウル」。世界最大のスポーツイベントでもある全米プロフットボールの『スーパーボウル』と同じように、プレーヤーズ選手権は米ツアーの旗艦大会。それだけに、「断腸の思い」と今回の決断に至った苦悩をにじませた。
今後のツアー再開時期は未定としたモナハン氏。トーナメント開催による地域への影響や、ツアーが力を入れるチャリティー活動にも影響が出ることに対して何度も言及。大会に関係するすべての人に感謝と無念の気持ちを表したが、「不確実で流動的」という事態ではどうすることもできないとした。
ちなみに、今回は賞金総額1500万ドル(約16億円)の半額が、第1ラウンドをスタートした144選手に均等に分けられるという。「63」をマークし首位発進をしていた松山英樹にとっては、なんとも残念な結果となってしまったが、まずは事態の終息、そしてツアー再開を待つのみだ。
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