今年3月の「ザ・ホンダ・クラシック」で米PGAツアー初優勝。2019-20年シーズンは14試合に出場しトップ10が5回、現在フェデックスカップランキングの1位を走っているイム・ソンジェ(韓国)。新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月中旬の「ザ・プレーヤーズ選手権」が中止となってからは、母国の韓国には戻らずに、フロリダ州タンパで家族、友人らと過ごしている様子を米ゴルフチャンネルが伝えている。
「幸いにもこの近くのゴルフコースはオープンしているので、毎日プレーすることができる」と言う。ゴルフ以外には釣りも始めたと明かし、「これまで一度もやったことがなかったけど、練習の休憩に出かけたらこれが面白くて。ナマズが釣れたから、今後は海でもやってみたい」と話す。
日本ツアーで16年から2シーズンをプレー。18年に米下部ツアーで2勝を挙げて昨季からPGAツアーに参戦し、35大会に出場してフェデックスカップランク19位でツアー1年目を終えると、ルーキー・オブ・ザ・イヤーに選出された。昨年12月の「プレジデンツカップ」では世界選抜の一員として3.5ポイントを獲得する大活躍もみせた。
今季は昨年9月の「サンダーソンファームズ選手権」で2位、10月の「ZOZOチャンピオンシップ」では3位タイと好発進。ザ・ホンダ・クラシックで待望の初優勝を挙げると、翌週の「アーノルド・パーマー招待」も3位に入り、2位のジャスティン・トーマス(米国)、3位のローリー・マキロイ(北アイルランド)を抑えてポイントレースで堂々の1位につけている。
今季の目標は「フェデックスカップで昨季の19位を上回ること」で、韓国からスイングコーチを呼び寄せ調整を続ける日々。「毎日練習しているから、いつでも再開できる」と言う。フロリダ州に仮滞在中だが、今後は米国に拠点を持ちたいとし、候補地はジョージア州アトランタ。「韓国レストランも多いし、飛行機もどこに行くのも便利。韓国にも直行で帰ることができる」と思案中だ。
現在22歳、韓国で育ったイムは今もまだ英語が苦手で通訳をつけてのインタビューだが、屈託のない笑顔でファンを惹きつける。ザ・ホンダ・クラシック勝利の後、アーノルド・パーマー招待の会場で話す機会があった。すでに新型コロナウイルス感染拡大で東京五輪への影響が懸念されていた頃、それでも東京へ行くか? と聞いてみたら「絶対に行く。東京五輪は僕にとってとても大事だ」と意気込みを語ってくれたから、延期にはなったが来年の開催をきっと楽しみにしていることだろう。ツアー再開後の活躍に期待。(文・武川玲子=米国在住)
<ゴルフ情報ALBA.Net>