最新ゴルフニュース

「早く試合に戻りたくて仕方なかった」　R・マキロイ再開戦に向け心境を吐露

いよいよツアー再開前日、選手はそれぞれコースに出て最終調整を行った。メディアも最小限での入場規制がかかるため、その様子は一部映像として“バーチャル・メディアセンター”にアップされているので状況をうかがい知ることができる。無観客試合のためギャラリースタンドはまったくないが、思ったよりもコースにはタイトルスポンサーの看板などがありPGAツアートーナメントの雰囲気は十分だ。
マキロイは公称175cmと小柄だが、なぜ飛ぶの？【解説つき連続写真】
この日は世界ランキング1位のローリー・マキロイ（北アイルランド）が記者会見に臨んだ。選手はクラブハウスの所定場所でカメラに向かい、記者はメディアセンターから質問という“バーチャル・プレスカンファレンス”で応答。ときどき記者の声が聞こえないなどテクニカルトラブルもあったが、2日目となったこの日は技術スタッフもかなり慣れたようで、会見も順調に進んだ。
「とにかく自分の仕事に戻れてうれしい。ずっと試合に戻りたくて仕方なかった」と興奮した様子のマキロイ。「3カ月のロックダウンはトレーニングで自転車に乗ったり、ジグソーパズルもやったりしていたらあっという間に過ぎた。練習には目的が必要で最後の2〜3週間はようやく再開に向けて調整ができた」と振り返った。
実際に3カ月ものあいだ遠征も行かずに自宅で過ごしたことは「人生初」という。「こんなことがあるとは想像もしていなかった。フラストレーションはなかったが、とにかく試合に出たい、コンペティションがしたくて仕方なかった」と勝負師の一面を披露した。
この「チャールズ・シュワブ・チャレンジ」にはこれまで出場したことがなく、今回が初出場。その理由は「スケジュールが合わなかった」ことが最大で、「いつも欧州ツアーのBMW選手権と同時期で出られなかった。テレビで見ていて出たいと思っていたコース」だという。
開催コースのコロニアルCCはテキサス州フォートワースにあり、開場は1936年と歴史あるコース。46年からPGAツアーを開催し、もっとも古い大会の一つに数えられる。ベン・ホーガン、サム・スニード、アーノルド・パーマーと数多くのレジェンドが大会勝者となり、同地に暮らしたホーガンがホームコースとして愛したことから“ホーガンズ・アレー”として知られている。7209ヤード・パー70と距離はないが、狭いフェアウェイと小さなグリーンで第2打勝負のコースといわれる。
マキロイは「ショットの調整よりプレーをした回数のほうが多かった。いつも自宅のあるジュビターに住むプロたち、ダスティン・ジョンソン、ジャスティン・トーマス、リッキー・ファウラーらとかけてプレーしていたから、僕のゲームはかなりいい状態になっている」と自信をみせた。「ただ自分に期待する気持ちをどうコントロールするか、そこが一番難しい。初日、2日目がとても大事になる」と慎重に話す。
一方で会場でのコロナウイルス感染対策に関しては「とても安心できる」と合格点をつけた。「選手たちとはソーシャルディスタンスを取れるし、コースのスタッフはみなマスクと消毒液を使っている。心配は感じない」と和やかな表情だった。
また今、世界中で広まっている人種差別への抗議活動に関しては「僕たちはタイガー・ウッズを見て育ってきた世代。ゴルフにタイガーがいてくれたことをとても幸運に思う。ただもっと黒人選手がいてほしいと思う。初日の午前8時46分に黙祷を捧げるのは世界にメッセージを送るいい機会。ツアーを通じて今僕たちができることを続けて行きたい」と話した。
マキロイは世界ランキング2位のジョン・ラーム（スペイン）と同3位のブルックス・ケプカ（米国）とともに予選ラウンドを戦う。いよいよ待ちに待ったスタートの時を迎える（文・武川玲子＝米国在住）
<ゴルフ情報ALBA.Net>