国内女子ツアーが25日に初日を迎える「アース・モンダミンカップ」でいよいよ開幕する。久しぶりに女子プロたちの競演が見られるわけだが、トップ選手たちのスイングは今季どう変わった? 渋野日向子を全英チャンピオンへと導いた青木翔コーチに注目選手のスイングを解説してもらう。
昨年のプロテストに合格した2000年度生まれのミレニアム世代が注目を浴びている。なかでも「日本女子アマチュア」、「アジア女子アマ」優勝、「オーガスタナショナル女子アマ」3位、「エビアン・チャンピオンシップ」ローアマ獲得など、輝かしいアマ実績を残しプロ入りした安田祐香にかかる期待は大きい。
そんな安田のスイングを見た青木は「一言でいうと押し込みがうまい」。安田のうまさは、球を押し込んで運ぶ動きにあるという。「アイアンがうまいのも納得です」というほどの球さばきはどのような動きから生まれるのか。
「バックスイングのときから安田さんらしさが出ます。捻転力は少ないですが、体全体で右に向いていきます。トップまでいくと、そこから右のお腹で力を出していくんです。打ち出したい方向に一気に回していく。これが押し込む動きになります」
インパクト直前の形にも青木は注目した。「右手首の角度がアドレスのときと変わっていません。手をこねたりしていない証拠で、アドレスで構えたところにそのままの形で下りてくるのでアイアンがうまい。ショットメーカーたるゆえんです」と、ショットのうまさはその再現性に表れている。
「ライン出しのショットがうまいでしょうね。これだけフェース面をうまく使えるのは、手の動きを抑えて押し込んでいけるから。力もしっかりと伝わっていながら狂いも少なくなります」。細い体をうまく使いながらショットでチャンスを作り出し、安定感のあるゴルフで初優勝を視界に入れる。
解説
青木翔(あおき・しょう):1983年3月28日生まれ、福岡県出身。福岡大学ゴルフ部に在籍し、卒業後はツアープロを目指すも断念。コーチングの道に進み、数多くのジュニアゴルファーを教えてきた。2012年には自身のアカデミーを設立し、17年より渋野日向子のコーチに。現在は渋野のほかにも三ヶ島かなや野澤真央ら注目プロ、多くのアマチュアを指導する。
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