国内女子ツアー開幕戦「アース・モンダミンカップ」初日は新型コロナウイルス感染予防策として無観客のなかで行われた。そんななか、会場に行けないファンのためにと1組目から終日、ネット中継で会場の様子を伝えた。
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今回のネット中継は4つのチャンネルが用意された。「トーナメント全体中継」、「注目ホール中継」、「選手インタビュー」、「9番ホール中継」の4種類。それぞれ見たいチャンネルを選択することができる。これにより通常のテレビでの中継よりも自分が見たい場面に切り替えが可能となり、選択肢が増えた。また各チャンネルに解説陣がおり、そんな部分で選ぶことも可能だ。
またテレビ中継なしでネットのみという試みで、今回斬新だったのはリアルタイムでユーザーのコメントが投稿され、画面にチャット機能として流れること。これにより仲間たちと一緒に見ているような雰囲気を出すことができている(コメント非表示にすることも可能)。
新たな試みとなった新様式のネット中継だが、開幕戦初日の25日12時半の時点で全チャンネルの視聴数合計が約8万5000人を超えるほどの盛況ぶりを見せた。待ちに待った開幕戦で、スポーツの醍醐味であるリアルタイムの中継を見ることができるという環境は、多くの視聴者を楽しませたようだ。
多彩なチャンネルで様々な選手を見ることができたのもよかった。CMもないため普段映らないような場面を見ることができた。ただ、残念なのは畑岡奈紗や渋野日向子が全体中継と注目ホール中継と両方で映るような状況があったこと。注目なのは分かるが、せっかくチャンネルが分かれているのだから別の選手を見たいと思った場面もあった。
また、ネット中継のページへの、導線が少ないのは残念だった。「どこでやっているか分からない」、「見方が分からないから教えてほしい」という声が各所から聞かれた。せっかくの開幕戦でのネット中継なのだから、JLPGAのサイトだけでなく、大手ポータルサイトにバナーを出すなど老若男女問わず届くように、もっと大々的に告知しても良かったのではないか。
さらには、お気に入りの選手がいても、現状だとその選手をなかなか見ることができないのも改善点だろう。例えば人員を増やし各ホールごとの中継にすれば“推しメン”をずっと見ていることもできるし、様々な選手を見たいというニーズにも対応できるだろう。これは「Tポイントレディス」ですでに行っており、技術的に不可能ということはない。
とはいえ、視聴者のコメントを見る限り概ね好評を得たようだ。「プロって、もっとフェアウェイキープするもんだと思ってた。案外、右行ったり左行ったりしてますね」といったコメントに代表されるようにコース内では上位選手だけでなく、下位選手にもさまざまなことが起きている。放送時間の限りのないネット中継だからこそ、さまざまな状況を映せる。アマチュアゴルファーに参考になることはもちろん、意外とプロを身近に感じた人もいるかもしれない。そういったこれまでにない側面もしっかりと画面を通して伝わってきた。
だからこそ、これをベースにブラッシュアップできれば、さらなるファン獲得につながる未来も見えてくるはずだ。今回のネット中継は、コロナ以後のゴルフトーナメントの新たなコンテンツとしての可能性を十分に示してくれたと言えるだろう。
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