この7月で25歳になる金澤志奈は、昨年の賞金ランキング51位と、わずか25万円ほどの差で惜しくもシードを逃した。だが、17年にプロテスト合格後、同年のステップ・アップ・ツアー「山陽新聞レディースカップ」でプロ初優勝を挙げるなど、着実に実力をつけている。19年のレギュラーツアーでは、フェアウェイキープ率(72.39%・17位)とパーオン率(70.39%・28位)で上位につけるなど、安定したショット力は魅力的だ。そんなショットメーカーである金澤志奈のクラブセッティングを見てみよう。
金澤志奈が松田鈴英とドレスで共演【写真】
「マイペースですけど、芯が強いというか、自分の意思を変えない強さがあります。クラブはあまり頻繁に替えるほうではないですね」とブリヂストンスポーツのツアーレップ、阿部貴史氏はいう。
ドライバーは最新の『JGR』に切り替わっている。金澤がドライバーに求めていることは「まず、ボールが上がること」と阿部氏。「金澤プロはゆったりとした綺麗なスイングをする選手で、ドライバーではアッパーブローにスピン量の少ないボールを打ちます。そのためロフトの立ったヘッドだとスピン量が少なすぎてドロップしてしまうため、ロフトには気を付けています」と説明してくれた。ロフトは10.5度を使用し、弾道にも満足しているという。
■アイアンも無理なく上がるモデルを選ぶ
アイアンは『TOUR B X-CBP』を使用。ミッドサイズのポケットキャビティで、やさしく上げられるモデルだ。阿部氏によると「アイアンも弾道を気にしますね。ボールが上がるかが一番です」。近年のトーナメントでは、グリーンが硬く止まりにくくなってきている。その対策もあって、よりやさしいアイアンをチョイス。その成果として、昨年のパーオン率は70%を超えた。こういったアイアン選びが金澤のショット力を支えている。
■FWは上がりそうな顔、UTは左に行かないこと
FWの『JGR』は17年モデルだ。最新モデルも試していたが、開幕戦の「アース・モンダミンカップ」で替えることはなかった。「新しいモデルの弾道は良かったんですが、17年モデルの方がシャローでボールが上がりそうに見えて、やさしい感じがするそうです」(阿部氏)。では、ユーティリティも他のクラブと同様に上がりやすいモデルなのか。「ユーティリティは左に行かないクラブですね。弊社のユーティリティの中では『TOUR B XD-H』はライ角がフラットでハードなモデルと言えるかもしれません。でもユーティリティ自体がやさしいクラブ。左につかまりにくいというだけで、そこまで難しいわけではないですよ」と阿部氏は補足する。
金澤が目標とするプロは、米国女子ツアーの賞金女王や世界ランキング1位にもなったことがある申ジエ。ジエは14年から日本女子ツアーに本格参戦すると、昨年まで6年連続で獲得賞金1億円を突破している世界トップクラスのショットメーカーだ。
金澤とジエは、現在マネジメント事務所が同じで、一緒に練習する機会が多いという。「ジエプロのアドバイスでシャフトをテストすることがあります」と阿部氏が言うように、金澤のショット力の高さはジエから学んだことも多くある。あとは世界女王の勝負強さが備われば、初優勝も見えてくるだろう。
【金澤志奈のクラブセッティングと番手別飛距離】
1W:TOUR B JGR 10.5度 Diamana DF50(S) 230y
3W:TOUR B JGR(2017)15度 Tour AD TP-5(S) 210y
5W:TOUR B JGR(2017)18度 Tour AD TP-5(S) 200y
7W:TOUR B JGR 21度 Speeder 569 TR(S) 190y
4U:TOUR B XD-H(2016)24度 ATTAS EZ350-65(S) 180y
5U:TOUR B XD-H(2016)26度 ATTAS EZ350-65(S) 170y
6I:TOUR B X-CBP N.S.PRO 850GH(S) 160y
7I:TOUR B X-CBP N.S.PRO 850GH(S) 150y
8I:TOUR B X-CBP N.S.PRO 850GH(S) 140y
9I:TOUR B X-CBP N.S.PRO 850GH(S) 130y
PW:TOUR B X-CB N.S.PRO 850GH(S) 120y
50度:RM-22 N.S.PRO 950GH(S) 90y
56度:RM-22 N.S.PRO 950GH(S) 70y
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