<ニトリレディス 2日目◇28日◇小樽カントリー倶楽部(北海道)◇6695ヤード・パー72>
2週前の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」の後藤未有に続き、今週も昨年のプロテスト合格者が優勝争いに加わってきた。予選ラウンドを終えて、アマチュアの小倉彩愛がトータル5アンダー・4位タイと頂点の見える位置で折り返した。
撮れたて! アマ小倉彩愛のドライバースイング【連続写真】
「パッティングがいい。あとはピンを狙うショットも安定している」と難コース・小樽でもナショナルチーム経験で培った安定感を発揮。インコースから出た12番で6mを沈めて早々にバーディを先行させると、ツアー屈指の難ホール16番をはじめしっかりとパーを並べた。折り返してからも2番、4番とスコアを伸ばして「ストレスがなくできた」とピンチらしいピンチも作らずにホールアウト。一気に上位争いに食い込んできた。
小倉は“プラチナ世代”と呼ばれる2000年度生まれの19歳。昨年のプロテストでは、同級生で同じナショナルチームとして切磋琢磨した安田祐香や吉田優利が合格するなか、腰痛に悩まされ不合格に終わった。後藤のように合格ラインの2打差圏内で単年登録することも叶わず、終わった後は「ゴルフを続けるかどうかも分かりません…」とまで話すほどだった。
やめようとまで思ったのはケガが多かったからというのもあった。「ケアとか、予防とか一年やってきたのに、またプロテストのときにケガをして。それで試合に出ることに自分にイライラしていた」。それでも踏みとどまったのは周囲の声があったからだ。
「プロテストが終わって、たくさんの人が“これからも頑張って”と言ってくれると、やめようとしていたのはよくなかったのかなって。友達も手紙とかLINEとかくれたりしたので、そこでもう一回頑張ろうと思いました」
とはいえ、いきなりゴルフに戻ることはできず、友達と遊んだり、姉と買い物をしたりと“普通”の生活を送った。また、腰に関しては医者、理学療法士、トレーナーとともにまずは歩くところからリハビリ。クラブを握れるようになったのは、プロテストから1カ月ほど経過した後だった。
その後は体力強化に取り組み体の調子も上がってきた。さらにトレーニングの効果で「10〜20ヤード飛距離が伸びてきた。2打目でアイアンを持つ数が増えました。ゴルフが楽になりましたね」と思わぬ副産物も生まれた。
ゴルフを一時的に離れたことで見えたものもあった。「去年まではゴルフ、ゴルフという頭でしたが、今はゴルフはゴルフ、それ以外は別に楽しむという感じになりました。メリハリが以前よりついたことで、逆にゴルフに集中できていると思います」とメンタル面に良い効果が生まれた。ゴルフから離れたときに一番していることは、去年7月に飼い始めた犬と遊ぶことだという。
本来であれば今年のプロテストを受験予定だったが、それも新型コロナウイルスの影響で来年3月以降に延期。「今年あると思って練習をやってきた。聞いたときはびっくりした」としつつも、「モチベーションは特に下がっていないです」と気持ちは沈んでいない。
一方で、今大会で優勝することができれば、テスト免除で正会員になることができる。それでも本人は「たくさんの人に言われるが、そこを目指すと空回りする。一打一打集中して頑張りたい」。浮足立つことなく3日目へと向かう。
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