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なぜ上田桃子は全英でクロスバンカーにつかまらなかったのか? 3種の握りで高さを調整していた【辻にぃ見聞】

今季の海外メジャー初戦となる「AIG女子オープン」で上田桃子が自身のメジャーでキャリアハイとなる6位に入った。コロナ禍のなか、「熊本県人に挑戦する姿を見せたい」とスコットランドへ渡った34歳は、なぜ世界最高峰の舞台で活躍できたのか。上田のコーチであり、今大会はキャディとしてもともに戦った辻村明志氏が「とても楽しかった」という一週間を振り返る。今回は試合、そして今後の話。
【AIG女子オープン】メジャーでキャリアハイ!上田桃子のハイライト動画
■万全の準備をしても…想定外ばかり 助けてくれたのは準備の応用
全英で求められるであろう技術、マッチしたギア、過酷な環境で戦うトレーニング…。これ以上ないというほど準備に準備を重ねて渡英した2人。技術を事前にみっちりやっていたことで、練習ラウンドではほとんどコースへの対策に集中することができた。ここまでは完璧と言えたが…全英は甘くない。
「それでも試合となれば、想定外のことばかり起きました。練習ラウンドでは風がなかったのに、初日、2日目は立っていられないほどの強風。こんなに番手が違うのか、と思いました」
経験豊富な上田ですら「こんなにタフな状況でゴルフをやったことあるかなという感じ。ノーマルというものが一つも当てはまらない」と表現する環境。それでも耐えることができたのは、準備していたことがあったから。
「例えばティショットで言えば、フェアウェイバンカーが5つも6つもあって、入れてもいいバンカーは1つもない。左右の曲がり幅だけでなく縦の距離感も求められます。しかも強風が吹く条件下です。そのなかでドライバーだけでなく様々なクラブを駆使しながら、グリップを短く持つ練習をしていたことも奏功しました。日本にいたときと同じ位置、そこからちょっと短く、さらに短くの3パターンで球筋を作ってポイントに落としていきました。これも日本でしっかりと距離感を確認していたからできたことです」
短く持つことによってフェースローテーションを抑えて、弾道を低くして早めに着弾させる。そして固いフェアウェイでランを出して距離を出すのだ。これならアゲインストのなかでも距離を出していける。
「3つのうち、基本的には“ちょっと短く”持ってランを出していました。フォローだったとしても急に風が変わる可能性もある。できるだけ早めに地面に落ちてほしいですからね。逆に日本にいたときと同じ長さで持つのはキャリーでバンカーを越えたいときくらい。ドライバーの打ち出し角で言えば、普段が15度だとしたら、やや短くで11〜12度、一番短く持ったときは10度を切っていたと思います。それらを同じリズム、タイミングで打てるように練習場から準備しました」
もちろん、事前に強風を想定した練習を繰り返したことが活きたのは言うまでもない。ブラインドホールの狙いどころは、16年に同じロイヤル・トゥルーンGCで行われた「全英オープン」にキム・キョンテのキャディとして帯同した島中大輔氏に確認していた。そうやって身に付けていったものをうまく組み合わせて、1つ1つクリアしていった。
■集中力が抜群 本気になればここまでできる
また、辻村氏が見ていて過去最大級と感じたのが集中力の高さ。「“このショットに尽くす”と1打1打に集中できていました」。特にそれができたのが最終日。その結果がミスショットわずかに1回という結果に結びついた。
「順位がどうとか賞金がどうとかといった欲よりも、自分が決めたことをやりきることに全力を注いでいるように見えました。熊本の方々に頑張っている姿を見せたいという気持ちも良い方向に働いていたと思います。“我慢、我慢”といった踏ん張りがとてもありました」
■この経験を今回だけで終わらせない
メジャーでキャリアハイという順位、やり切った集中力だけでなく、技術面にも収穫があった。
「技術的にこれだという希望は見えました。ショットもパッティングも今後のツアーに出るうえでヒントがありました」と辻村氏。パッティングで言えばすべては明かしてくれなかったが、「いつもよりも構えてから打つのが早かった。それはすなわち強風のなかでしたが、とても決断力があったということ。迷わない方法を取り入れた結果だと思います」。72ホールで3パットはわずかに1度。数字が効果をはっきりと示している。
だからこそ、それらすべてを今後に活かしていかなければいけないと辻村氏はいう。上田も終了後の会見で「これを自信に残りのツアーを頑張りたい」と話した。今後の海外メジャーについても慎重な姿勢を見せつつ、「準備が整えば」とコメントも出している。
「技術的なこと、道具や体を準備することはもちろん、全英だけでなくどんなコースでもコースマネジメントを徹底していければ、もっともっと上に行けると思います。今回得た引き出しをしっかりと今後の試合でも出していけるように、チームで頑張っていきたいと思います」
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくら、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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