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出産後もプレーするのが自然な女子ツアーに【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

横峯さくらが第一子妊娠を発表した。現在、5カ月の安定期。来年2月には出産予定だという。喜びの報告とともに「アメリカツアーで活動していた際にプロゴルファーと子育ての両立をしている他国のプロを見て来たことがきっかけで、私も憧れを持っていました」とコメントしている。
妊娠しても試合に出場し、出産後も子供を連れて転戦するのは、米ツアーでは珍しいことではない。それができるのは、毎試合、プレー中に子供を預けられる“チャイルドケア”というシステムが確立しているから。25年も前からのことで、しっかりとスポンサーもついている。
米ツアーでプレーしたことがある日本の女子プロたちは、これに驚く。妊娠、出産を考えているプロの多くは、日本でもその仕組みがあればいいと、口にする。だが、出産後、理事になった木村敏美が動いたものの、ツアーとしてその仕組みができる様子は一向に見えてこない。一般企業でも福利厚生の一環として企業内保育園をつくるところが出てきている。女子の団体である日本の女子ツアーにその動きがないことは、不思議でならない。
幸せの物さしは人それぞれ。節目、節目に自分で決断し、人生のレールを敷いて行くのは当然のことだ。女性だからといって、妊娠、出産をすることを望む者ばかりでは決してない。異性であれ、同性であれ、パートナーと2人で歩む人生に幸せを見いだす人もいれば、ひとり自由に暮らすことこそ、自分らしいと思う人もいる。子供を産み、育てる場合でも、それにすべてを注ぐ女性がいれば、仕事をしながらそうする人もいる。当たり前の話だ。妊娠、出産という女性だけにしかできないことをするかどうか決めるのは、あくまでも自分。パートナーと相談するのは当然としても、それ以外の人間や、環境に左右されるものではない。
もちろん、アスリートの場合、しばらくのあいだブランクができてしまうことや、肉体的な変化というハンデを負うことを第一に考えるのは当然だ。しかし、それでも妊娠、出産を選び、カムバックしようとしたときに、それができる環境がないのでは、成熟した組織とはいえない。この部分を考えただけでも、日本の女子ツアーは米国に四半世紀も遅れを取っている。
日本の女子ツアーは年々若年化が進むとともに、早く第一線を離れる選手が増えている。ジュニア時代からゴルフ一筋だったため、早くそこから離れたい、という者が多いという事情もあるが、前述のように妊娠、出産を望んだ時に試合に戻れる環境がないことも大きい。ベビーシッターを雇う場合もないわけではないが、まだまだパートナーや双方の両親、祖父母、姉妹などのサポートに頼るしかないのが実情だ。
男性だったらどうだろうか。男性自身が妊娠したり、出産したりすることはできないが、子供ができたからといって仕事を辞めることはめったにない。ようやく男性も育休を使うことが増えては来ているが、それでも「子供ができた」といって「仕事どうする?」と聞かれることもない。子供ができても働くのは当たり前だし、子育てに少しでもかかわると“イクメン”などと讃えられたりする。子育てを“手伝う”などとんでもない話で、親として一緒にしていくのが当然だという意見もあるのに…。
こうしてゴルフの世界に限らず、日本はいつまでたっても“おっさん社会”から抜け切れない。女性でも、自分の物さしを勝手に押し付けることで、気づかずに“おっさん社会”をサポートしてしまう人間が多いのが実情だ。社会の仕組みと意識を変えようとしない人間が多いからだ。
横峯は、若いころから「結婚したらゴルフはやめる」と公言していたが、結婚後、夫の助言で米ツアーに挑んでから、ゴルフがどんどん好きになったと話していたことを思い出す。だからこそ、34歳での妊娠発表でも、同時に2021年後半でのツアー復帰の意向だ。日米両ツアーでプレーし、米国での優勝、そして日本での永久シード(通算30勝)という目標も掲げているのだろう。
生涯スポーツであるゴルフ。第一線で戦える時間は、生涯とはいえないが、それでもスポーツの中では非常に長い部類に入る。ゴルフとともに、人生を歩んでいく。そんな青写真を妊娠発表とともに見せた横峯。その姿が、日本のツアーを変えてくれることを祈りたい。これまで、出産後、苦労して転戦してきたプロたちはツアーから放っておかれたが、それではプロのためにもツアーのためにもならない。21世紀の今、実力さえあれば,望む者は皆、子供を連れて転戦できるのが当然の姿だ。プロたち個人のためだけでなく、女性の社会進出というわかり易い例として、ツアーが世の中からこれまで以上に認められることにも、役立つはずだ。(文・小川淳子)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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