パワフルなスイングで飛距離が武器の野澤真央。昨年後半から渋野日向子らを指導する青木翔コーチの教えを受けるようになった。まず最初に教わったことは、クラブをやさしくし、クラブによるストレスを解消することだったという。昨年までのスペックと大きく変わった野澤のクラブセッティングを見てみよう。
クラブ変更はオフになって大胆に敢行された。野澤を担当しているミズノのクラフトマン、笠原一成氏は「例えていうなら、昨年まではアクセル全開で使っていた感じでしたが、今年は余裕をもって使っていける感じでしょうか」と野澤のクラブセッティングを表現する。
具体的にはどう替わった? 「ヘッドは本当にやさしいモデルになりましたね。ドライバーは変更前には435ccと小ぶりなMizuno Pro MODEL-Sを使用していましたが、今年は460ccのSTシリーズに変更しました。元々左へのミスを嫌がる傾向にあったので、構えたときに左をイメージしにくく、つかまり過ぎないST200を選んでいます」と笠原氏はいう。昨年までは叩いて飛ばしていくヘッドだったが、今年は振れば飛ぶヘッドに替わっている。
さらにドライバーのシャフトは50グラム台のSに変更した。元々は60グラム台のXも使っていたことのある野澤だけに大きな変化だ。シャフトに仕事をさせる感じに変わったことで、以前よりも飛距離が出るようになったという。
■アイアンはヘッドがひとまわり大きくなり、シャフトはカーボンに
ドライバーだけでなくアイアンも大きな変化があった。チタンマッスルのMizuno Pro 518から、飛び系キャビティの719へチェンジ。「918と719でテストをしていましたが、結果的には719に落ち着きました。以前よりヘッドは一回り大きくなって、スイートスポットもより広いモデルです」と笠原氏。アイアンに関してはコントロールするヘッドから、やさしく運んでくれるヘッドへ変わったと言えるだろう。
ドライバー同様、アイアンのシャフトも大きく変化している。昨年まではスチールシャフトのMODUS3の120や105のフレックスSを使っていたが、今年からはカーボンシャフトのMCI 70のフレックスRに。カーボンに替わるだけでなく、かなり軽く、軟らかくなった。
笠原氏は「はじめはSシャフトをテストしていましたが、青木コーチとも話をして、もう少し軟らかくということだったので、Rも試してもらうことになったのです。以前、野澤プロが使っていたシャフトとはまったく違うので、少し戸惑いと不安はありました」といきさつを振り返る。
野澤は今季開幕戦の「アース・モンダミンカップ」では5位タイ、3戦目のニトリレディスでは9位タイとスタートダッシュに成功。賞金ランキングは現在8位につけている。「大きく思い切った決断だったと思いますが、良い方向に向かっているので安心しています」と笠原氏も胸をなで下ろす。確かに、女子ツアーの歴史の中でも、これほど大胆なクラブチェンジに踏み切った選手はあまり見たことがない。それを踏まえて今週の日本女子プロに臨む野澤のプレーを見てみるのも、面白いかもしれない。
【野澤真央のクラブセッティングと番手別飛距離】
1W:ST200 9.5度 Speeder 569 EVO7(S) 260y
5W:G410 17.5度 230y
4U:G410 22度 200y
5U:G410 26度 185y
5I:Mizuno Pro 719 MCI 70(R) 180y
6I:Mizuno Pro 719 MCI 70(R) 170y
7I:Mizuno Pro 719 MCI 70(R) 160y
8I:Mizuno Pro 719 MCI 70(R) 150y
9I:Mizuno Pro 719 MCI 70(R) 140y
PW:Mizuno Pro 719 MCI 70(R) 125y
50度:Mizuno Pro S18 N.S.PRO 850GH(R) 105y
54度:Mizuno Pro S18 N.S.PRO 850GH(R) 95y
58度:Mizuno Pro S18 N.S.PRO 850GH(R) 85y
PT: SIGMA 2 ANSER
<ゴルフ情報ALBA.Net>