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「小さいことはハンデではない」“プラチナ世代”西村優菜が日本女子プロ最年少制覇に王手

<日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 3日目◇12日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇6640ヤード・パー72>
2000年度生まれの“プラチナ世代”西村優菜が、7バーディ・2ボギーの「67」をマーク。首位と2打差の2位タイから出たラウンドで、一気にトータル11アンダーまでスコアを伸ばし単独トップに躍り出た。
西村優菜の2020ドライバースイング【連続写真】
3つ伸ばして迎えた15番パー4で、スーパーショットが生まれた。残り130ヤードで9番アイアンを振りぬくと、それがピン横20cmにピタリ。「ショートアイアンでピンをさせたのがよかった」と、持ち味のショットが冴えてバーディを積み重ねた。さらに続く16番も、6番アイアンでピン右横1.5mに落とし連続バーディ。ここで頭一つ抜け出し、単独でリーダーボードの最上位にその名を載せた。
だが最終日を最高の位置で迎えられることにも増してうれしいのは、「60台でラウンドする」という目標をクリアできたこと。前日の課題だったパットを修正し、それがすぐにコースで発揮できたことにも大満足だ。「順位よりも目標(60台のラウンド)をクリアして、さらにどれくらいいいスコアであがれるかだけを考えていました」。伸ばしあいの様相を呈したコースで、ひたすらに自分のプレーだけに集中することができた。
身長150cmと小柄ながら、アマチュア時代は日本ランキング1位にも立ち、ナショナルチームのメンバーとして世界の舞台でも競ってきた。プロとして戦うためのストロングポイントに「ショートアイアン」を挙げるが、これも「飛距離は伸ばせないけど、他でカバーして上位で争えたら」という考えが根底にある。セッティング面でも、「パワーが足りないし、背が低いので上からたたけない」と5番アイアンを抜き、1、3、5、7、9番のウッド5本体制を敷くなど工夫を凝らす。
「飛距離に関してハンデはあるけど、それ以外でカバーできるのがゴルフのいいところ。私が活躍すれば、小さくてもゴルフはできるって、下の世代への説得力にもなるだろうし、ハンデではないと思ってます」。この信念でゴルフを続け、そしてプロにまでなった。「牛乳はむっちゃ飲みました」と笑うが、今はそれが個性にもなっている。
そんな小さな西村が、冠に『日本』とつくビッグタイトル獲得に前進した。20歳40日(最終日時点)での大会制覇なら、2014年に20歳128日で優勝した鈴木愛を抜く大会新記録。さらにツアー初優勝をメジャー大会で挙げると、昨年5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」の渋野日向子以来11人目の快挙となる。
まさに記録的勝利となるが、「これまで記録を気にして練習やプレーをしたことはありません。結果として残るのなら、という感じです」と、それが重荷になることもなさそうだ。とにかく残る1日も西村が考えるのは、「60台のラウンドをクリアできるように」ということだけ。そのために、最後までショートアイアンで果敢にピンを狙い続ける。(文・間宮輝憲)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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