ニューヨーク州で行われていた「全米オープン」。ウイングド・フットGCで並みいるトッププロたちが難攻不落のコースで佳境を迎えているころ、西海岸のペブルビーチ・ゴルフリンクスでシニアルーキーが熱い戦いを繰り広げていた。
PGAツアー・チャンピオンズの「ピュア・インシュランス選手権」(9月18〜20日)。1打リードの首位で最終日を迎えたのはアーニー・エルス(南アフリカ)。ファイナルラウンドを「65」で回ったジェリー・ケリー(米国)と「67」のジム・フューリクがトータル12アンダーで並びプレーオフに突入。エルスは「70」と伸ばしたが、一打及ばなかった。
18番で行われたプレーオフでフューリクがケリーを下し、8月のシニアデビュー戦、「ザ・アリー・チャレンジ」に続く2勝目を飾った。デビューから出場2大会で2連勝を達成したのはこれまでアーノルド・パーマー、ブルース・フライシャーの二人だけ。「パーマーと同じ記録に並ぶのは、こんなにうれしいことはない。ここ5年も勝っていなかったのに、勝利をすることは本当に気持ちいい」と喜んだ。
前週はPGAツアーの「セーフウェイ・クラシック」にも参戦。予選通過も果たし46位で終えているから、まだまだレギュラーツアーでも戦える。
一方のエルスは最終日を首位で迎えたが、18番パー5で1メートルのパーパットを外しボギー。プレーオフに加わることができなかった。「あのパットは…、読みを間違えた。一生懸命やったんだが、最終日は自分のスイングができなかった」と肩を落とした。
20年前の2000年6月の全米オープン、優勝したタイガー・ウッズとは15打差で2位だった。その10年後の10年は3位、昨年のは予選落ちと、エルスにとってこのペブルビーチは苦い思い出ばかりかもしれない。
エルスはフューリクとは違ってすでにシニアツアーにほぼ専念。今年1月からすでに9試合に参戦して優勝が1回で7度のトップテン入りと好成績を挙げている。
フィル・ミケルソン(米国)も8月末にデビュー戦で勝利。PGAツアー・チャンピオンズは11月の最終戦まで残り4試合が開催される予定。シニアルーキーの熱い戦いはまだまだ続く。(文・武川玲子=米国在住)
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