本来なら今週開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」の前年優勝者によるリモート記者会見が23日に開かれ、柏原明日架が1年前のツアー初優勝、現状、そして未来について思いを打ち明けた。
大器と期待されながら、2014年のプロ転向から6年目でようやく初優勝を飾った昨年大会。時間がかかったか?の問いには、「私がいちばん感じていたと思います(笑)。思っていたよりも長くかかってしまったなと思いました。優勝争いの回数が少なかったですし、『私って戦えないのかな』と思った時期もありました」と、未勝利期間には苦悩もあった。
大型プレーヤーとしてアマチュア時代から活躍。鳴り物入りでプロの世界に飛び込んだが、苦戦が続いた。15年から賞金シードには入り続けるも、「勝てないのかな」という不安がよぎったことは一度や二度ではなかった。「コーチだったり周りのいろんな人たちに支えられてもう1回頑張ろうと思ったときのタイミングだった」と、殻を破った初Vを振り返った。
その後、10月の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で2勝目。「プロ入りして6年目でいちばんいいシーズンだった」とキャリアハイとなる1年を終えた。迎えた今季は「状態も仕上がっていた」なかでのコロナ禍。「3勝目、そして若手に負けないようにと周りからも言われて」と気合も入っていたが、予期せぬ事態に戸惑いもあった。
ようやくシーズンが本格スタートしてからも予選落ちが3度と調子が上がらないなかだが、焦りはない。「目の前の課題、やるべきことに集中してやっていきたい」と先週は14位タイ。見据えるのは長いシーズンで徐々に調子を上げていくことだ。
その中でも近々の目標は次週、九州で開催される「日本女子オープン」と、10月3週目のホステス大会「富士通レディース」での好成績。宮崎県出身の柏原にとって女子オープンは準地元。そして所属先大会の富士通レディースで、まずは結果を求めることになるが、年々進むツアープレーヤーの若年化が刺激になっていることも頑張る理由の一つだという。
20歳前後のルーキー、今年22歳になる黄金世代など若手の台頭が著しい女子ツアーの中で、今年の1月で24歳になった柏原はすでに“中堅”の域に達していると話す。「私たちは“中間世代”。この世代が頑張らないといけない。応援してもらえるように頑張りたい」と、「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」を制した同じ宮崎出身で同期の永峰咲希らとともに、ツアーを引っ張る気持ちも強い。
プロになった当時は「もっと早くに勝てていると思っていました。2年目、3年目で1、2勝して、25歳、26歳あたりではメジャーに勝ちたいし、賞金女王も獲りたいなと。ちょっとずつ近づいているかな」。思い描いていたスピードとは違ったが、これからが本番だと言い聞かせる。
「ゴルファーのピークは26、27、28歳くらいかと思っていました。19、20歳の選手がこんなに出てくるとは思っていませんでした。私が18歳の頃は推薦をいただいて試合に出て、経験をして帰って行くという感じだった」と、最近の若手世代の活躍は予想をはるかに超えていると正直な感想ももらした。
コロナ禍で来年のスケジュールも未定だが、「ここ1、2年が勝負だと思っています。先は長くないと思ってやっていきたい」と中間世代のリーダー格としてやる気に満ちあふれている。10月に控えるビッグタイトルを手にし、ますます存在感を示す実りの秋としたい。
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