並み居るトッププロが深いラフと止まらないグリーンに泣かされた「全米オープン」。当初は「優勝スコアは8オーバー」とも言われたが、終わって見れば4日間通算でアンダーパーだったのはブライソン・デシャンボー、ただ一人だった。そんな全米オープンならではコースセッティングを手がけてきたは現USGA(全部ゴルフ協会)のマイク・デービス会長が現地時間22日、「21年いっぱいでUSGAを去る」と発表した。
難セッティングにタイガーもこの顔【写真】
退任後には「これまでどうしてもやりたかったこと」だというコースデザインビジネスに専念、設計家のトム・ファジオと“ファジオ&デービスゴルフデザイン”として活動していくという。
現在55歳のデービス会長がUSGAの一員となったのは1990年、05年には大会のルールディレクター、11年には全米オープンエグゼクティブディレクターとなり16年に同協会のCEOに就任した。
デービス会長は11年にディレクターとなった際に、夫人に年の3分の2も自宅を留守にする職であるディレクターは「10年でやめる」と約束。その期日ら来年の21年ということから退任を決めたという。
デービス会長が全米オープンのコースセッティングに関わるようになり、大きな変革がもたらされてきた。狭いフェアウェイ、深いラフ、硬いグリーンだけでなく、距離の短いパー4で選手の“リスク・リワード”を試す設定でホールの長さを変えることもデービス会長が始めたこと。その一方で16年のオークモントではダスティン・ジョンソンにペナルティーを保留したままプレー、18年のシネコックでも硬すぎるグリーンに大きな批判の声が上がったことも少なくない。
デービス会長に残されたのは約15ヶ月で、まだまだたくさんの課題が残されている。
新型コロナウイルス感染拡大への対応、現在進められている飛びすぎるクラブ、ボールを調査する「ディスタンス・インサイト・プログラム、奇しくも先週のウイングドフットGCではデービス会長のコースセッティングもデシャンボーは4日間で6アンダーをマークしたばかり。「今後100年のゴルフ界を感がなければならない問題が山積している」とデービス会長。新任の選定はこれからエグゼクティブコミッティーで内外から幅広く候補を集め、来年6月の全米オープンまでには決定したいとしている。今後のゴルフ界を左右する人選に注目だ。(文・武川玲子=米国在住)
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