<シュライナーズ・ホスピタル・フォー・チルドレン・オープン 3日目◇10日◇TPCサマリン(ネバダ州)◇7255ヤード・パー71>
米国男子ツアーの新シーズン5戦目「シュライナーズ・ホスピタル・フォー・チルドレン・オープン」の第3ラウンド。ムービングサタデーにもっとも躍動したのは、全米オープンで2位に入ったマシュー・ウルフ(米国)だった。
21歳マシュー・ウルフは、独特スイングで平均333ヤード!【連続写真】
前半は2バーディ・ボギーなしの「33」と静かに折り返したが、後半のインに入ると、5ホールで3つのイーグルを奪うなど「28」と大爆発。「61」をマークして、トップと2打差のトータル18アンダー・3位タイと、一気にリーダーボードを駆け上がった。
ウルフはスイング始動前のワッグルで、一度踊るように顔も腰も左に向けてから、バックスイングに入る独特のルーティンが特徴。バックスイングではクラブを立てながら外に上げてから、ダウンスイングではクラブを寝かせてから鋭く下ろし、平均333ヤードを記録する。ブライソン・デシャンボーやダスティン・ジョンソン(ともに米国)など、飛ばし屋が上位を席巻する米国男子ツアーを象徴する選手の一人だ。
記憶に新しいのは9月の全米オープン。難コースで3日目に「65」をマークして、単独首位で最終日を迎えた。最後はデシャンボーの前に屈したが、堂々の単独2位に入る活躍を見せた。
この日、ウルフのスイッチが入ったのは後半最初の10番だった。残り155ヤードをウェッジで打ったショットが2.5mについてバーディを奪う。「ショットは良かったですし、10番のウェッジショットが流れを変えたと思う」とウルフは振り返る。
続く452ヤードの11番パー4では、331ヤードのビッグドライブから、残り116ヤードをウェッジで打ったショットが、3バウンド目にバックスピンで戻って直接入りイーグル。「前半では良いショットがあったのになかなか伸びなかったので、焦りもあった。あれが入ったときに、ここから行けるんじゃないかと思った」。
そして、599ヤードの13番パー5では、ティショットを331ヤード飛ばし、残り260ヤードを2オンに成功。5メートルを沈めて2つ目のイーグルを奪う。
さらに、距離が短い301ヤードの15番パー4でも圧巻のショットを見せる。これを1オンして4.5mを決め、わずか5ホールの間に3つ目のイーグルを奪った。この時点で、ハーフ3つのイーグルはツアーの記録に並んでいた。続く520ヤードの16番パー5では、ティショットで334ヤードぶっ飛ばし、残り185ヤードを4.5メートルにつけたが、惜しくも外して、ツアー記録となるハーフ4つ目のイーグルはならず。1ラウンド4イーグルでも、95年にスコット・マッキャロン(米国)以来の記録だった。
ここまで来ると1ラウンド50台が期待されたが、213ヤードの17番パー3では4.5m、18番パー4では4mにつけるも、ともに外してパー。50台達成はならなかった。
「50台は意識していなかった。普通は前半2アンダーなら50台は無理だよね。17番でバーディパットを外した瞬間に、これが入って、最後ホールがバーディなら「59」だったなと気づいたよ。でもたくさんチャンスは作ったし、また50台のチャンスはあると思う」。確かに21歳のウルフにはまだまだチャンスはありそうだ。
「スイングは体の回転が上手くできている。だから構えたときも自信が持てるし、ショットもライン上にしっかり打てている」と絶好調の状態にある。「全米オープン」では3日目にスコアを5つ伸ばしながら、最終日は逆にスコアを5つ落として2位に終わった。そこに忘れてきたツアー2勝目をかけて、ウルフは最終ラウンドへ向かう。
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