<樋口久子 三菱電機レディス 最終日◇1日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6585ヤード・パー72>
黄金世代とプラチナ世代。大会最終日は、今後の女子ツアーを背負って立つであろう“2大勢力”の選手が、激しい優勝争いを繰り広げた。最後は、2日間単独トップを守った黄金世代の勝みなみをかわし、6打差逆転劇を演じたプラチナ世代の西村優菜が初タイトルをつかみとった。そんな西村にとって、“身近なライバル達”は一体どんな存在なのだろうか?
優勝後は同世代選手からヒジタッチで祝福【大会ライブフォト】
最終18番で1メートルのウイニングパットを沈めると、そこで待ち構えた古江彩佳ら同級生から祝福。さわやかな笑顔でプロ入り後初めてトロフィーを掲げた西村は、「想像以上のゴルフで優勝できてうれしいです」と喜びを語ったが、それ以外に同世代、そして先輩に対する思いも口にした。
2000年8月4日生まれの西村の同級生といえば、古江や安田祐香、吉田優利らアマチュア時代から活躍を続け、鳴り物入りでプロ入りした選手も多い注目世代だ。そのなかで、昨年の「富士通レディース」では、古江が史上7人目となるアマチュア優勝を達成。さらに今季も「デサントレディース東海クラシック」でプロ初優勝を挙げるなど、頭一つ抜け出した印象だった。
「(古江の2勝は)どちらもグリーン脇で見ていました。それで私も上位で戦いたい、早く優勝したいとずっと思ってきました。(古江が勝って)すごくうれしかったですけど、自分も頑張らないとなって。いい刺激になっていました。今回はその気持ちがいい方向に働いてくれました。見て学ぶことも多いので、いい環境でプレーできていると思います」(西村)
こんな気持ちをバネにした西村は、武蔵丘でプラチナ世代2人目(通算3勝)の優勝者になった。一方、今回争った勝らがいる2学年上の黄金世代は、これまで9人が優勝し、通算22勝を挙げている。畑岡奈紗、渋野日向子、原英莉花の3人は公式戦タイトルも手にするなど、十分すぎるほどの実績を残す。
そんな偉大な先輩を西村は「高校の時からすごい存在」として見てきた。そして「一緒に回る機会も多くて、すごく勉強になります。プロでもたくさん活躍してすごいと思うと同時に、自分も続けるようにということは考えてきました」と、やはり大きな刺激にかえてきた。
それだけに西村が、勝みなみとの“直接対決”になった試合を制したのはドラマティックだった。「これからうまくいくことも、いかないこともたくさんあると思うけど、日々成長していきたいです。もっと丁寧なゴルフができるように。さらに上位争いができる選手になりたいです」。このような若い世代の切磋琢磨が、女子ゴルフの未来を切り開いていく。
【“2大勢力”の国内ツアー勝利数】※成績はアマチュア時代含む
■黄金世代
畑岡奈紗(6勝)
勝みなみ(4勝)
渋野日向子(4勝)
原英莉花(2勝)
小祝さくら(2勝)
新垣比菜(1勝)
大里桃子(1勝)
河本結(1勝)
淺井咲希(1勝)
■プラチナ世代
古江彩佳(2勝)
西村優菜(1勝)
<ゴルフ情報ALBA.Net>