<三井住友VISA太平洋マスターズ 事前情報◇9日◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)◇6664ヤード・パー72>
12日(木)開幕の「三井住友VISA太平洋マスターズ」に先がけて、9日(月)には大会会場でツアープロによるジュニアレッスンが行われた。大会で使われる14番から18番ホールを実際にラウンドしながら、ジュニアたちはどんなことを教わったのか? ジャパンゴルフツアー選手会のジュニアゴルフ担当・重永亜斗夢の組についてみた。重永は2018年に石川遼と片山晋呉との直接対決を制してツアー初優勝を挙げている。14年から6年連続で賞金シードを獲得している実力者だ。
ツアープロと一緒に回れる貴重な機会とあって、スタートホールのティイングエリアでは、早くもいろんな質問が飛ぶ。「3パットしないためにどうしたらいいですか?」、「調子が悪いときは何を考えますか?」などなど。
パッティングについて重永は「3パットしないためにはとにかく距離感。とにかくロングパットの練習をすること」。また、調子が悪いときの対処法としては「ごまかしながらでもいいから、スコアをまとめること。悪くてもこれ以上は打ちたくないというボーダーラインを作る。僕の場合は、80は絶対打たないようにハーフ30台では回る。80を打ってしまうと次の試合も打つんじゃないかと悪いイメージがつくから」とやさしくアドバイスを送っていた。
■バンカーでホームランする高校生には「上体を上げないこと」
そして、コースの中に飛び出すと、技術的な指導も行われた。重永と一緒に回った帝京大学可児高校3年の岩井悠真さんの悩みはバンカー。ホームランしてボールが飛びすぎてしまう。これを見た重永は「フォローで上体を上げて打つと、ヘッドが薄く入ってホームランしてしまう。きれいに入れようとしてハンドファーストにするからインパクトが一点になる」と指摘。ハンドファーストにすると、ヘッドの刃から砂に入って刺さってしまうため、手前からダフらせて打つバンカーの基本通りに打てない。だからクリーンに当たってしまう。
続けて重永は「バンカーのアゴの高さがなければ、持ち上げるように打つ必要はない。左足体重に構えて、ハンドファーストにならないようにクラブヘッドを積極的に動かし、上体を上げないように打つだけ。そうすればバンスが当たって、そこまできれいに入れなくても脱出できる」と実演して見せた。
すると、クリーンにボールを打っていた岩井さんは、砂を爆発させてやわらかいボールが打てるまでに改善。砂を叩くヘッドの音もよくなっていた。本人は「バンカーが苦手なので、いま言われたことを意識して練習したいと思います。バンカーからのパーキープ率を上げられるように頑張りたいです」とコツをつかんだ様子だった。
■石川遼直伝 インサイドから打つ超スピンアプローチ
埼玉栄高校1年生の斉藤隼人さんの悩みは、「アプローチでスライス回転がかかり、落ちてからボールが右にコロがってしまうこと」だった。そこで重永は18番ホールのグリーンサイドで石川遼に教わったというアプローチを披露。
「フェースを開いて、アウトサイド・インのカットに打とうとすると、手が先行してヘッドが刺さるし、ボールの下をくぐってショートしてしまうこともある。いわゆるポッコン。なので、インサイドから手が先行しないように、クラブターンさせて打つんです。バンスが使えるからインパクトがシビアにならないし、ボールがつかまるから、落ちてから右に転がることもない。練習では少し右足を引いてクローズに立つと、インサイドから打てる」
このアプローチでは、フェースを開いているのに、インサイドからバンスをつかってボールをつかまえることで、ボールは低くやわらかく飛び出し、強いスピンがかかる。それにサイドスピンが入らないので、ボールがラインに乗りやすくなるというわけだ。これには3人のジュニアたちは目を丸くしていた。実際のトーナメントコースを使った現役ツアープロの生レッスンは、今週のテレビ中継でも紹介される予定となっている。
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